ワールドカップアジア最終予選が行われたため、2週間ぶりの開催となる明治安田生命Ｊ１リーグ。今節の注目は神戸と浦和のカードだろう。4連勝で首位に立つ前者に対し、後者も6位と上位をキープしている。神戸はここまで4試合でわずか1失点。対する浦和はリーグ最多の10得点。守と攻の構図が明確に表れるなか、注目は策士ネルシーニョ監督の采配だろう。試合を膠着させ、ロースコアの展開に持ち込むことができれば、神戸のペースで試合が進むことが予想される。
2位のFC東京はホームに鳥栖を迎える。前節は大久保 嘉人の移籍後初ゴールなどで川崎Ｆとの多摩川クラシコを制した。新エースの覚醒に加え、昨季得点王のピーター ウタカも徐々にフィットしており、攻撃力のさらなる向上に期待が持てる。その攻撃を鳥栖がいかに抑えられるかがこの試合のポイントだろう。2015年までFC東京を率いていたマッシモ フィッカデンティ監督がいかなる策を講じてくるのか。その手腕に注目だ。
3連勝で3位に浮上した鹿島は大宮とアウェイで対戦。前節は劇的な形で清水に逆転勝利を収め、勢いはさらに加速していきそうだ。大宮は開幕4連敗。1得点・7失点と攻守両面で機能せず、早くも苦しい状況に追い込まれている。王者と戦う今節も厳しい戦いが予想されるが、大前 元紀ら新戦力の奮起が求められる。
仙台と川崎Ｆの一戦も興味深い戦いとなりそうだ。4位と好調の仙台は、ここまで挙げた3勝すべてが1-0のスコアと、少ないチャンスをモノにする戦いで結果を出してきた。今節も川崎Ｆの攻撃に対し、粘り強い守備で応戦し、一瞬の隙を突く戦いで勝機を見出したい。一方の川崎Ｆは、仙台の堅守をいかに崩すかがこの試合の最大の焦点だろう。中村 憲剛、小林 悠ら攻撃陣のパフォーマンスが大きなカギを握る。
Ｇ大阪はアウェイで新潟と対戦。3バックの戦いが板についてきたなかで、インサイドハーフとして輝きを放つ今野 泰幸が代表戦で負傷したのは大きな痛手だ。その穴をいかに埋めるのか。代役の選手の奮起が求められてくる。新潟はここまで勝利がないものの、前節、新加入のホニが初ゴールを奪ったのは好材料。決して万全とは言えないＧ大阪から、ホームで今季初勝利を掴みたい。
前節初勝利を挙げたＣ大阪は、ホームに横浜FMを迎える。守備の安定感は備わっているだけに、今節もいかに得点を奪えるかがテーマに。今季まだゴールがないエース柿谷 曜一朗の爆発が待たれるところだ。一方の横浜FMはここ2試合勝利がない。こちらもカギを握るのはエースの齋藤 学。柿谷か、齋藤か。両雄のパフォーマンスが試合の行方を左右しそうだ。
磐田vs清水の静岡ダービーも注目カードだ。両者が対戦するのは実に4年ぶりとなる。磐田は守備の安定感は備わるものの、得点力が課題に。清水は前節、2点差をひっくり返されての逆転負けを喫している。ともに状態はいいとは言えないものの、両者にとって特別な一戦であり、サッカー王国のプライドをかけた熾烈な戦いが繰り広げられるはずだ。
ここまで未勝利の広島はホームに柏を迎える。ここまでわずか2得点と決定力不足が顕著で、守備の粘り強さも失われつつある。まさかの低迷を強いられるなか、期待されるのは新加入の工藤 壮人。古巣との一戦となるこの柏戦でゴールを奪い、チームに勢いをもたらしたい。対する柏も調子は上がってこない。特に4試合で7失点の守備面に不安を抱える。ドイツからＪリーグに帰還した細貝 萌がピッチに立てば、その課題も改善されるかもしれない。
日曜日に開催される甲府vs札幌は、ともに前節初勝利を挙げたチーム同士の一戦に。粘り強い守備を備えた両者の激突は、1点を争う緊迫した戦いとなりそうだ。
■各試合の見どころをチェック
仙台vs川崎Ｆ
新潟vsＧ大阪
広島vs柏
磐田vs清水
Ｃ大阪vs横浜FM
FC東京vs鳥栖
神戸vs浦和
大宮vs鹿島
甲府vs札幌
