6月7日にユアテックスタジアム仙台で開催される天皇杯2回戦では、J2勢が対戦する。仙台と藤枝は、天皇杯では初顔合わせだが、今季の明治安田J2で一度対戦済み。互いの特徴をピッチ上で知った上で、どのような手を繰り出すかが楽しみな一戦だ。
普段はユアテックスタジアム仙台をホームとして戦う仙台は、昨季終盤に就任した伊藤 彰監督の下、緻密な組織をベースとしたスタイルを構築中。今季のリーグ序盤戦は思うように勝星を積めずに苦戦していたが、直近の5試合は4勝1分で負けなしと調子を上げている。その勢いを、この試合にもぶつけたい。
仙台は昨季のリーグ戦で失点が多かったことを踏まえ、守備を整備するところから今季をスタートさせている。GKでは経験豊富な元日本代表・林 彰洋が出場を続けているが、年代別日本代表の経験を持つ小畑 裕馬も、ピッチに立てば俊敏なセービングを見せてくれるはずだ。また、最近もU-24韓国代表に招集されたキム テヒョンは、高さと強さで相手の攻撃をはじき返せるCB。こうした若い選手たちの活躍にも期待したい。
一方、乗り込んでくる藤枝は、今季初参加のJ2で存在感を発揮しているチームだ。須藤 大輔監督が築いてきた“超攻撃的”と言えるそのスタイルは、点を取られても取り返す、そして逆転する強気の姿勢で相手に挑むもの。特に久保 藤次郎や榎本 啓吾といった選手たちはサイドから果敢にドリブル勝負を仕掛け、味方もその推進力に呼応するように一気に相手ゴール前へ迫る。そして最前線には、J2得点ランキングトップ(10点)の渡邉 りょうがおり、多彩なフィニッシュパターンでゴールネットを揺らす。
藤枝はこの超攻撃的スタイルの下、リーグ序盤戦で旋風を巻き起こした。その後は主力選手にケガ人が出たことで苦戦した時期もあったが、最近は3試合負けなしと持ち直してきている。直近のJ2第19節・栃木戦も、先制を許しながら後半アディショナルタイムに山田 将之のゴールで追いつく粘りを見せた。
両者は今季のJ2第11節で初めて公式戦で顔を合わせ、激しい点の取り合いを演じた。藤枝が渡邉のゴールで先制すれば、仙台も多人数が絡んだ攻撃から中山 仁斗と郷家 友太の連続ゴールで一時逆転。しかし、終盤に藤枝が久保の鋭いシュートで追いつき、さらに矢村 健の巧みなボールコントロールからのフィニッシュで再逆転。このときは3-2で藤枝に軍配が上がった。
当然、あのときとそれぞれのチーム状況は異なる。また、先週末のリーグ戦からこの天皇杯2回戦までの試合間隔が短いことから、どちらもフレッシュな選手が出場機会をつかんで、新しい魅力をチームに加えてくれるかもしれない。そうした変化も楽しみつつ、藤枝が再び打ち合いに持ち込むか、仙台が激しい守備からの攻撃でやり返すか。その展開に注目したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]