試合前日、神戸に移動しようとするも東海道新幹線が台風の影響で運休に。試合当日に移動しようにも、正午まで東京から出発する東海道新幹線は動かず、関西に向かう飛行機もほぼ満席。チームが現地に到着することがかなわず、川崎Fのリーグ前節・神戸戦は中止という判断が下された。
リーグタイトル奪還を目指している川崎Fとしては、首位・神戸戦の重要性を皆が理解していただけに、次の試合へのモチベーションのもっていき方は難しい。もともと、この天皇杯は出場機会が少ない選手たちのアピールチャンスになっていたかもしれないが、指揮官がメンバー構成を再考する可能性もある。
前々節・柏戦で復帰してベンチ入りしたレアンドロ ダミアン、タイ代表に選出され12日から離脱するチャナティップ、評価を上げてきている小塚 和季。逆に出場機会が減っている若手の佐々木 旭、山田 新、松長根 悠仁も“ここぞ”と思って準備を進めているはず。公式戦デビューをもくろむ大関 友翔というタレントもいる。U-20W杯で変えがたい経験を積んで、アルゼンチンから帰国した高井 幸大、永長 鷹虎も腕まくりしているはずだ。
特に、長い時間自主練習を続けて、ビルドアップやフィードをトレーニングしているチョン ソンリョンはリーグ戦での先発復帰を目指して、結果を残そうと強い気持ちで臨むはずだ。
鬼木 達監督はどんなメンバーを送り出すか。
一方の栃木シティFCは天皇杯栃木県予選決勝で作新学院大を8-0で下して、本戦に進出。1回戦では延長までもつれながら、FCマルヤス岡崎を4-1と一蹴して、川崎Fの待つ2回戦にコマを進めた。
栃木で活躍したヘニキ、愛媛などで存在感を出していた表原 玄太、千葉や町田、松本で活躍した戸島 章ら、Jリーグでプレーした選手が多く在籍する。今矢 直城監督、津田 琢磨ヘッドコーチの下、関東リーグ1部では2位につけており、JFL昇格を目指しているチームだ。クラブハウスや自前の練習場があるなど、資金力もあり、将来のJリーグ加盟をもくろんでいる。
先週、川崎Fの試合イベントでは田中 パウロ淳一が等々力陸上競技場を訪れ、キックオフセレモニーを行っている。古巣戦に臨む田中は川崎Fのリーグ前節が中止となったことで、主力メンバーがピッチに立つのかもとSNSで発信していた。等々力陸上競技場でのプレーに気合いが入っていることだろう。
それでも、川崎Fとしては負けられない。全タイトルを目指すことを公言しており、2020年度以来となる天皇杯優勝を目指すスタートだ。例年、下部カテゴリーの相手に苦戦している印象が強いだけに、油断することなく試合に臨みたい。
[ 文:田中 直希 ]