天皇杯2回戦、ケーズデンキスタジアム水戸では水戸と山口の対戦が行われる。リーグ戦で5月28日に対戦したばかりのこのカード。その際は山口が劣勢の展開を強いられながらも耐え続け、61分にPKを決めて1-0で勝利を飾った。10日ぶりの再戦で、水戸としてはリベンジしたい一戦であり、山口としては再び勝利を収めるためにアウェイに乗り込む。リーグ戦では下位に低迷するチーム同士だけに、大会は異なれども、勝利という結果を出して、自信を手にしたいことだろう。
水戸は6月3日に行われたリーグ前節、アウェイで最下位・大宮と対戦した。大宮との勝点差は『3』で、この試合の結果次第では最下位転落もあり得る“裏天王山”であり、“シックスポイントゲーム”という位置づけで臨んだ一戦だった。大宮にとっても、降格圏から脱するために絶対に負けられない一戦であり、はい上がろうという両チームの強い意志を強烈に感じさせる一進一退の攻防が繰り広げられた。
攻守において積極的な姿勢がぶつかり合う展開の中、水戸が先制に成功した。27分に杉浦 文哉が蹴ったFKをクリアしようとした大宮選手の頭に当たり、ボールはそのままゴールネットに吸い込まれた。幸先の良いスタートを切ったものの、良い流れは続かなかった。38分に自陣のミスから失点して同点に追いつかれてしまった。今までの水戸であればここで崩れて、立て続けに失点してしまうことが多かったが、この試合は違った。大宮の時間帯を粘り強く耐えて、GK中山 開帆の好セーブもあり、ゴールを許さなかった。
きっ抗した展開で迎えた終盤に決勝点が生まれた。84分に武田 英寿が蹴った鋭い右CKに飛び込んだのは、キャプテン・楠本 卓海。勢いよく飛んだボールはGKの手をはじきながら、ゴールネットに突き刺さった。
その後の大宮の猛攻に対し、5バックに変更して対応。苦しい時間が続いたものの、最後まで集中力を切らすことなく耐え続けて、試合終了の笛が鳴り響いた。水戸にとって、大きな勝点3を手に入れた。
勝因は失点をしても崩れなかったこと。そして、セットプレーでゴールを奪ったことだ。これからも劣勢の試合や狙いと異なる展開になる試合があることだろう。そうした状況でもチームとして焦れることなく戦って、チャンスをモノにするしたたかさを発揮することが上位浮上への条件となる。大幅なメンバーの入れ替えが予想されるこの試合でも、うまくいかない時間帯はあるだろう。それでも安定した試合運びを見せられるかが問われる。大宮戦の成功体験を生かして、勝利をつかみたい。
直近のリーグ戦で1勝1分と調子を上げつつある山口。その要因は5バックに変更して、守備を安定させたことにある。リーグ次節・甲府戦からフアン エスナイデル新監督が指揮を執ることが決まっており、中山 元気暫定監督にとって、ラストゲームとなる。良い形で新体制につなげたいところだ。
[ 文:佐藤 拓也 ]