日本一を争う天皇杯。明治安田J2で戦うクラブは、2回戦からの参戦となる。徳島県の鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで開催されるのは、徳島対いわき。
今季、初めてJ2に挑戦しているいわき。両者はJ2第5節で対戦しているが、その際はいわきが1-0で勝利。いわきはシュート数22本、徳島はシュート数5本。いわきが内容でも圧倒し、徳島はGK田中 颯の好セーブがなければ3、4失点以上していても不思議ではなかった。
いわきは、その日がJ2として記念すべきホーム初勝利。
「ホームで勝利がない中で選手たちは良いトレーニングを今日までしてくれました。チームとして体を張ったプレーをして失点ゼロで抑えたことについて、選手はよくやってくれました」(村主 博正監督)。
対照的に、徳島は未勝利が続いていた。
「難しいゲームでした。自分たちが勝利に値するかどうかを見たら、値するチームではなかったです」(ベニャート ラバイン監督)。
その対戦があった日が3月19日。いわきは9位に浮上し、未勝利の徳島は最下位に陥落した。しかし、そこから約2カ月半が経過し、両者の様相は変化している。
徳島は第11節・群馬戦(0△0)から基本布陣を4バックから3バックに変更し、守備が安定し始めると、第12節・磐田戦(3○2)で待望の今季初勝利。その後も勝点を積み上げ、第14節・大宮戦(3○1)で最下位脱出。前節・岡山戦(0●2)を終えた時点では18位に位置している。
一方、いわきは徳島戦でのホーム初勝利で浮上した9位をピークに、その後は成績が振るわずに第14節・清水戦(1●9)の大敗で最下位に陥落した。その後の奮闘で復調の兆しもあったが、前節・熊本戦(0●4)で4試合ぶりの敗戦を喫して、21位に位置している。
総合力が問われると同時に新たな選手が活躍の場をつかみ、その後のリーグ戦に好影響を及ぼしていくのが天皇杯。両者とも勝利だけではなく、新しい化学反応を起こしていくために重要な一戦になる。
徳島のベニャート ラバイン監督は岡山戦前の取材時に「天皇杯まではまったく考えていません。私は未来を考え過ぎる取り組み方ではないので、まずは目の前のゲームに向き合って、終わってから次のゲームについて考えます」と言葉にしていた。岡山戦の完敗も踏まえ、次は誰を起用して、どのような戦略を準備してくるのか注目したい。
いわきの村主監督は熊本戦後に「サポーターの皆さまが多く駆けつけてくれた中で、前半の入りから集中力を欠いたプレーが連続しました。入りのところも含めて私の責任です」と言葉にしている。リーグ戦につなげるためにも、天皇杯で勝利を挙げて浮上のきっかけにしたい。
90分で試合が決着しない場合、天皇杯は前後半15分ずつの延長戦がある。それでも決着しない場合はPK戦まで戦うことになる。ベンチ入りメンバーや交代采配も含め、リーグ戦とは異なる白熱した戦いを楽しむことができるだろう。
[ 文:柏原 敏 ]