6月7日に開催される天皇杯2回戦。レゾナックドーム大分では、J1昇格を狙うJ2大分とJFLからJリーグ入りを目指す大分県代表・ヴェルスパ大分が激突。1回戦で山口県代表・FCバレイン下関を2-1で下したヴェルスパ大分が、9年ぶりの“大分ダービー”で下克上をと意気込む。
両者の前回対戦は2014年7月13日の天皇杯2回戦。2,545人が見守った史上二度目の“大分ダービー”は、大分が2-1で勝利している。大分のPKによる2点目をモノにしたのは、現在タイリーグでプレーする坂井 大将だ。U-15から大分に所属する長崎県長崎市生まれの生え抜きは、この試合が公式戦初出場にして17歳5カ月25日でクラブ最年少ゴールという記録を刻んだ。
多くの選手がすでに引退したり他クラブに移籍したりしている中で唯一、61分から途中出場した伊佐 耕平のみが現在も所属している。当時、大卒ルーキーだったストライカーは大分一筋でプロキャリア10年目を迎え、J3降格やJ1自動昇格も経験し、たくましい主力へと成長した。
一方のヴェルスパ大分は、当時と変わらず正守護神の姫野 昂志がゴールマウスを守っている。前回対戦でキャプテンマークを巻いて先発した長谷川 豊喜は現在、コーチとして指導にあたる。
今回の対戦において、日程的には先週末のJFL第10節に試合がなかったヴェルスパ大分が有利だ。直近の公式戦は5月28日、JFL第9節・鈴鹿ポイントゲッターズ戦(0△0)で、潤沢な準備期間を得る。就任3シーズン目の山橋 貴史監督の下で培ったポゼッションスタイルの完成度は高く、Jクラブとのトレーニングマッチでもしばしば相手を圧倒してきた。ここまでチームトップの4得点を挙げている半田 航也の活躍などで、4位から8位までが勝点で並ぶ混戦模様のJFL7位から、上位争いに絡み続ける。
大分のほうは5試合ぶりの勝利となった明治安田J2第19節・甲府戦から中2日。守護神の高木 駿や長身ストライカーの長沢 駿ら負傷離脱者が多く、アウェイでのJ2第20節・群馬戦まで中3日であることを考えると、戦力のやり繰りは気になるところだ。ただ、期待されながらコンディションが上がらずにいたFWのサムエルが復調の兆しを見せ、今季新戦力の池田 廉と松尾 勇佑が甲府戦で加入後初出場を果たしたほか、U-20W杯を終えて帰国したばかりの屋敷 優成も途中出場して存在感を発揮するなど、好材料も得ている。J2の上位争いも混戦を極めており、第15節以来の自動昇格圏をキープしたいところだが、カテゴリー上位のチームとしてヴェルスパ大分とのダービーにも負けるわけにはいかない。
地道な努力を重ね、地域に根ざす活動で地元に愛されるクラブとして成長してきた両チーム。サッカー文化の成熟と浸透を進める史上三度目のダービーマッチの末に、“大分サッカーの聖地”で勝利に沸くのはどちらになるか。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]