5月7日の明治安田J2第14節では、秋田が2-1で勝利しているこのカード。それからちょうど1カ月のときを経て、同じソユースタジアムを舞台に天皇杯2回戦で再戦する。リーグ戦直近5試合の戦績は、秋田は1勝1分3敗、栃木は1勝2分2敗で、両チームとも波に乗り切れていない。だが、天皇杯は必ず勝敗が決まるトーナメント戦。水曜日の夜に笑顔になるのはどちらか。
秋田はリーグ戦では4試合勝利から遠ざかっている。アウェイで行われたリーグ前節・磐田戦は0-2で敗戦。立ち上がりに決定機を作るも決め切れず。その後も前からの連動した守備でボールを奪ってシュートに持ち込んだが、精度を欠く。すると、後半に2本のミドルシュートを決められ、その後の反撃も実らなかった。
今季の秋田は先制した試合では、6勝2分で高い勝率を誇る。直近3試合は勢いよく試合に入って決定機を作り、勝ち筋を見いだそうとしているが、そこで決め切れない。失点をせずに耐えしのぐ守備も重要だが、前節終了後に水谷 拓磨が「点を決めていれば、展開的にも分からなかった。あそこを決めていかないと、上位チームとの差が大きくなる」と話したように、点を取らなければ勝てない。この明確な課題をチームもしっかりと共有している。決めるべきところをきっちり決め、試合の流れを明け渡さないようにしたい。
一方の栃木はリーグ前節、アウェイで藤枝と対戦し、1-1のドローで2連勝はならなかった。セットプレーの流れから福島 隼斗が蹴り込んで先制に成功。しかし、1点リードで迎えた終了間際にCKをファーサイドから叩き込まれ、追いつかれた。
栃木はここまでの全22失点のうち、後半だけで18失点。特に後半アディショナルタイムを含めた76分以降で10失点と突出している。秋田は全16得点のうち、後半だけで11得点。そのうち76分以降で6得点を挙げている。こうした数字を見れば、試合終了までスコアが動く緊迫した展開になりそうだ。
ただ、前述したようなデータがあるとはいえ、両者の対戦となれば、最大のポイントはセカンドボール回収をめぐる局面のバトルだろう。両チームが信条とする球際の競り合いでどちらが最後に上回れるか。タフな戦いを制したほうが7月12日に行われる3回戦に近づく。
栃木は昨年度の天皇杯で、岡山と横浜FMを下してラウンド16まで勝ち進んだ。惜しくも京都に敗れ、ベスト8進出はならなかったが、過密日程の中での一発勝負のトーナメントで競り勝つ粘り強さを見せ、そのポジティブな流れがリーグ戦にも表れた。
一方の秋田はここ2年間、天皇杯で結果が出ていない。一昨年度は北海道十勝スカイアースに、昨年度は東京Vに敗れて初戦で姿を消している。1つの勝利が何よりの良薬となるだけに、目の前の一試合を全力でつかみ取りたい。
ともにリーグ戦の合間にこの試合を戦う。栃木はアウェイ3連戦で、移動の疲労も考慮してメンバーを入れ替えてくることが予想される。これまで出番のなかった選手がチーム全体を勢いづかせるか。両監督のメンバー選考にも注目したい。
[ 文:竹内 松裕 ]