両チームの基本情報をおさらいしておく。天皇杯2回戦から登場する福岡は明治安田J1で5勝5分6敗の11位。リーグ前節・G大阪戦で逆転負け、今季初の連敗を喫して、リーグ戦5試合勝ちなし。指揮を執るのは今季で4年目の長谷部 茂利監督。過去の天皇杯での最高成績は1995年、2010年、そして前回大会でのベスト8進出。前回大会は準々決勝でJ2の甲府に延長戦の末に1-2で敗れている。
愛媛県代表の今治はJ3で5勝4分3敗の6位。リーグ前節・岩手戦を1-2で落として4試合ぶりの敗戦を喫している。指揮を執るのは2021年からコーチを務めていた髙木 理己監督。過去の天皇杯での最高成績は2012年の3回戦進出。2回戦でJ1・広島を下す金星を挙げたが、3回戦で町田に屈した。今大会の1回戦は、長崎県代表の三菱重工長崎SCと対戦し、後半のマルクス ヴィニシウスの決勝ゴールで1-0の勝利を収めた。
福岡の長谷部監督は「どのチームもそれ(ジャイアントキリング)を狙ってくる。(下位カテゴリーチームとの対戦は)やりづらさもある中で、十分な注意を払って戦わなければならない大会」と話し、さらに「G大阪戦を含めたリーグ戦の状況うんぬんではなく、目の前のこの天皇杯のゲームに集中して入ることが必要」と気を引き締めている。
とはいえ、天皇杯から中3日で3位・名古屋との対戦が控えているため、リーグ戦での出場機会が少ないメンバーを中心に戦うことになりそうだ。キャプテンを務める奈良 竜樹が「自分も出場に向けての準備はしっかりと進めるが、リーグ戦でうまくいっていないときは新鮮な風を吹き込んでくれる選手が出てくることも大事」と話しており、出場機会を得たメンバーにとっては貴重なアピールの場となる。
そのような状況にある1人が坂田 大樹。今季いわきから加入した坂田はここまでの公式戦でメンバー入りがなく、このゲームは福岡デビューのチャンス。昨季のJ3第25節・今治戦でプレーしており、今治の戦い方を肌で感じている選手で「今治はサポーターも含めての一体感がものすごくある。プレスを含めて一つひとつのプレーに気持ちを込めてくるチーム」との印象。また昨季の対戦から、今季も今治の攻撃の軸になっている中川 風希、マルクス ヴィニシウスの特徴も理解し、十分な警戒が必要だと話している。
今治のセランテス、三門 雄大、ドゥドゥは福岡に在籍した経験がある。セランテスは第7節・富山戦以降メンバー外となっているが、彼らがかつてホームとしてプレーしたベスト電器スタジアムで燃えることは必至。長谷部監督も「福岡のサポーターも喜ぶでしょうし、“ただいま感”は生まれるでしょうが、勝負としては別」と警戒を払っている。途中出場がメインながら今季4ゴールを挙げ、チームトップスコアラーとなっているドゥドゥには特に注意が必要となる。
[ 文:島田 徹 ]