明治安田J2で3位につける東京Vが、味の素フィールド西が丘で同9位の群馬を迎え撃つ天皇杯2回戦。ともにこの試合が、今年度の天皇杯初戦となる。
今季初めて味の素フィールド西が丘でプレーすることになる東京Vは、リーグ戦直近8試合で4失点。リーグで2番目に失点数が少ないチームだ。このところ守備陣に負傷者や出場停止の選手が続出していた中でも、失点数は少なかった。
リーグ前節・仙台戦は8試合ぶりの複数失点で、今季初めてとなる2点差以上での敗戦だった。失点の形は、1つはPK。もう1つはCKから。流れの中からの失点は、本当に少ない。このあたりに城福 浩監督がチームに徹底している守備意識の結果が出ていると言える。
今回の天皇杯は、群馬がリーグ前節から中3日で迎えるのに対して、東京Vは中2日。群馬はアウェイ連戦で東京Vはホーム連戦という条件ではあるものの、東京Vとしてはより厳しい日程での試合となった。週末にはアウェイでのリーグ次節・岡山戦を控え、さらにその翌週には同カードのJ2第21節・群馬戦が待っている。
これらを加味しても、普段出場機会の少ない選手たちを中心にメンバーを構成することは大いに考えられる。
そこで生かされるのが、先述したように“誰がDFとして守っても結果を残してきた”というもの。今季フル出場を続けていた宮原 和也とGKマテウスが不在になると目される中、守備陣がどんなプレーをするかは見ものになる。
GKの中で、プロ入り後に公式戦での出場機会がないのは大卒ルーキー・飯田 雅浩のみ。東京Vジュニアユース出身で青森山田高、国士舘大を経て加入した“ヴェルディっ子”は、「今までのサッカー人生を振り返ってもこれだけ出られないことはなかった」という、公式戦に絡めない日々を過ごす。ただそれでも、野太い声を張り上げてチームを鼓舞し続けている。
「盛り上げるのは自分の仕事だけど、正直難しい部分もある。プロだから、と頭を切り替えるのは悔しい。マテウスをリスペクトしながらも、し過ぎず、自分が上回っている部分をアピールしていきたい。仲間を使った守備などは自分のほうができると思っているので」(飯田)。
彼以外にも、このところ出場機会を減らしている杉本 竜士や加藤 弘堅、奈良輪 雄太、リーグ前節で今季初出場した小池 純輝といったベテランも勝負どころだ。先日、東南アジア競技大会でインドネシアを32年ぶりの優勝に導いたアルハン(U-22インドネシア代表として出場)、U-20日本代表候補だったもののU-20W杯出場を逃した西谷 亮、それに中学3年生時にトップチームデビューした18歳の橋本 陸斗も腕まくりしている。
対する群馬は、リーグ戦直近3試合で未勝利。また、アウェイ戦では直近5試合で未勝利となっている。畑尾 大翔はリーグ前節で金沢と1-1で引き分けたあと、「本当に一試合一試合積み上げていくしかない。これからは上位のチームとも当たるけど、まず天皇杯。その次は(リーグ次節・)大分戦に向かっていきたい」と話していた。
大槻 毅監督による緻密な戦術がハマってロースコアゲームに持ち込むことが勝利へのカギか。
東京Vとは直近5試合で2分3敗と相性が悪い。古巣戦となる内田 達也を中心に今回は勝利をつかめるか。先発機会を減らしている平松 宗、川本 梨誉、今季は先発していない内田や白石 智之といった選手たちとしてはアピールしたい試合だ。
勝利すればFC東京対福島の勝者と3回戦でぶつかることになる。東京Vはひさびさの“東京ダービー”に向けて勝ち上がりたい。群馬ももちろん、勝利を目指す一心だろう。
[ 文:田中 直希 ]