天皇杯2回戦。鳥栖は“九州ダービー”に新たに刻まれる1ページとともに、今大会の幕を開ける。駅前不動産スタジアムに迎えるのは宮崎だ。両者の公式戦での顔合わせはこれが初めてとなる。
すでにJリーグYBCルヴァンカップの敗退が決まっている鳥栖にとって、今大会はクラブの悲願でもあるタイトル獲得のために重要な位置づけとなっている。現在、明治安田J1では5試合負けなし(3勝2分)と好調を維持しており、順位も1ケタ順位の9位に浮上。好調を維持して、今大会の初戦を迎える。
対する宮崎はJ3で4勝4分4敗、勝点16で13位につけている。J3は大混戦となっており、2位・鹿児島との勝点差は『6』という状況。宮崎はここ3試合負けなし(2勝1分)でジワジワと順位を上げており、チーム状態は決して悪くない。ただ、12試合を終えて9得点13失点という数字が示すように、守備は安定感を見せている一方で、1試合平均での得点が『1』を下回っており、攻撃は課題が残る。リーグ前節・八戸戦はスコアレスドローに終わっており、チームの現状を示す結果となっている。
宮崎は天皇杯宮崎県予選決勝ではミネベアミツミFCを1-0で下し、本戦への切符をつかんだが、これがJリーグ参入後初の本戦出場。1回戦では熊本県代表の東海大熊本と対戦し、3-0の快勝を収めている。宮崎の過去最高成績は2回戦敗退で、2つカテゴリーが上の鳥栖への下克上と同時にクラブ記録の更新を目指すことになる。
ただ、日程的には宮崎が厳しい条件でこの一戦を迎えることになる。八戸戦はアウェイゲームで、この試合のあとには中3日でアウェイでのリーグ次節・相模原戦が控えている。八戸への長距離移動を挟む中2日での試合は肉体的にも精神的にもかなりの負担を強いられることになるだろう。鳥栖はリーグ前節・横浜FC戦から中3日と宮崎よりも1日多い準備期間はあるが、この試合のあとには中2日でリーグ次節・札幌戦が控えている。ルヴァンカップではメンバーを大きく入れ替えて戦っているが、川井 健太監督はどのような選択をするか。
鳥栖が長きにわたりJ1の舞台で戦い続けている間に、宮崎や鹿児島が新たにJリーグに参入したことで、九州全県にJクラブが存在するようになった。これにより、“九州ダービー”も新たなステージを迎えており、今回、鳥栖と宮崎が対戦することで新たな歴史が刻まれることになる。鳥栖が先駆者の意地を見せるのか。それとも先駆者に追いつき、追い越そうとする宮崎が下克上を果たすのか。“九州ダービー”の新たな1ページはどんな結果が記されるのだろうか。
[ 文:杉山 文宣 ]