そのC大阪戦は苦しい戦いになった。序盤から、清水陣内からボールを前に運ぶことができないという、もどかしい時間が続いた。ときおり見せるのは、単発のカウンターのみ。ハーフタイムに「監督に『もう一度自分たちのサッカーをやろう』と言われた」(西澤 健太)と、後半開始直後からようやく本来の形を取り戻すと、その西澤がシュートを連発。50分には左サイドからカットインしてシュート。54分には直接FKでゴールを狙う。さらに57分にもカットインからシュートを放つなど、清水の時間帯が続いていたが、ここでゴールを奪うことができない。逆に一瞬のスキを突かれて71分に奥埜 博亮にゴールを決められると、86分にもミスから失点。清水は開幕からの連続ゴールも止まり、0-2の完敗となった。
清水はクラブワーストを更新する開幕3連敗となり、試合後に記者から「この戦術で突き進むのか?」という厳しい質問が飛ぶなど、結果が出ないゆえの苦しみを味わっている。
一方のG大阪は前節、アウェイで名古屋と対戦。序盤から攻勢を仕掛けた。6分、宇佐美 貴史のFKの流れから、ゴール前の混戦で三浦 弦太が押し込む。ボールはディフェンスに当たり、さらにクロスバーに当たりながらもゴールラインを割って、先制に成功する。ところが16分、ガブリエル シャビエルのFKからゴール前が混戦となり、マテウスにゴール左へ流し込まれる。同じような形で追いつかれてしまった。さらに31分、カウンターからガブリエル シャビエルに押し込まれて逆転を許す。後半は序盤からオープンな展開になり、G大阪には同点の、名古屋には追加点のチャンスがあったが、ドラマは後半アディショナルタイムに用意されていた。90+2分、パワープレーからパトリックの落としを渡邉 千真が押し込む。61分に投入された2人からゴールが生まれるという、交代策が見事にハマった格好で勝点1を手にすることになった。G大阪は、これで前々節の“大阪ダービー”で喫した敗戦のショックから立ち直ったように見える。
清水として気をつけなければいけないのは、このG大阪の豪華ベンチ陣ではないだろうか。清水は76分以降の失点がリーグ最多の『4』と、終盤に落ちる傾向があり、この時間帯をいかにしのげるかがポイントになりそうだ。
G大阪は劇的な試合を演じ、高いモチベーションで臨むことになるだろう。一方、開幕戦でFC東京を苦しめて注目を浴びた清水だったが、ここ2試合はその魅力を発揮することができず、チームの勢いは下降気味。それでも、清水にはこの試合に、大きな援護がある。それは、今節から限定的ではあるがアイスタにサポーターが帰ってくるからだ。熱狂的な清水サポーターの前で、恥ずかしい試合はできないだろう。今季初勝利を達成し、喜びを爆発させて流れに乗っていきたい。
[ 文:田中 芳樹 ]

