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メディアブリーフィング発言録 明治安田J1 第18節 浦和vs湘南におけるエントリー手続き不備に伴う対応の件

2021年7月5日(月) 17:40

メディアブリーフィング発言録 明治安田J1 第18節 浦和vs湘南におけるエントリー手続き不備に伴う対応の件

メディアブリーフィング発言録 明治安田J1 第18節 浦和vs湘南におけるエントリー手続き不備に伴う対応の件
メディアブリーフィング発言録

2021年7月1日(木)15:00-15:38

メディアブリーフィング発言録

登壇
Jリーグ 規律委員会 石井 茂巳 委員長
Jリーグ フットボール本部 本部長 黒田 卓志
Jリーグ 競技・運営部 部長 中村 清

司会 コミュニケーション部 吉田
本日はお集まりいただきありがとうございます。15時に皆様宛に配信したプレスリリース「懲罰決定について」に関し、J リーグ規律委員会は、浦和レッズに対しエントリー資格事案に関する懲罰内容を決定したためご説明させていただきます。

1、本事案の取扱いについて
Jリーグ 吉田
まず初めに、本事案は規律委員会での決定となりました。根拠となる規約規程はJリーグ規約第11章(懲罰)133条①ならびに134条(1)に基づき進めています。規律委員会は規定によりJリーグ役職員ではなく社外の有識者で構成されています。競技外の案件は(裁定委員会の諮問を経て)チェアマンが最終決定者となるのですが、本件は競技に関わる案件のため、規律委員会での決定となりました。このあと規律委員長より処分内容についてご説明させていただきます。

2、規律委員会の処分内容について
石井規律委員長より下記の内容を説明
プレスリリース「懲罰決定について」
https://aboutj.jleague.jp/corporate/release/24351/

3、事実関係の補足説明と規律委員会の報告を受けた対応
Jリーグ 吉田
規律委員長からの説明を受けまして、本事案の事実関係の補足説明と規律委員会の報告を受けた対応について、規律委員会の事務局である競技運営部よりご説明します。

Jリーグ 中村
規律委員長から報告がありました通り、クラブ等と、事実確認や事実認定を行ってきた内容の概略をご説明いたします。まず(直近の公式検査で陰性判定を得ている者が掲載された)エントリー可能者リストというものがあり、(6月19日・20日の試合に向けて)それらを6月14日にJリーグが最新情報へ更新しクラブに通知しました。通知を受けて(もしリストに掲載されていない=公式検査を受けていない選手をエントリーさせたい場合、)浦和レッズは直近のエントリー資格認定委員会へ申請ができると定められています。エントリー資格認定の申請期限である6月17日(木)18時までに浦和レッズからの申請はなく、その後、6月20日の浦和レッズ湘南ベルマーレの試合を迎えました。よって当該選手の出場資格がない状況で20日の試合を迎えていることになります。
次に、試合当日の動きをご説明します。

6月20日の試合当日、Jリーグ規約に定めるキックオフ時刻150分までに浦和レッズはエントリー可能者リストとメンバー表を照合しンバー提出用紙とエントリー可能者リストをマッチコミッショナーに提出したと報告を受けております
マッチコミッショナーはリストとメンバー表を確認し、サインを行いました。サインの入ったメンバー表とエントリー可能者リストをクラブに返却しています。
キックオフ120分前になると、いつもの通りメンバー表が展開され試合が行われます。試合終了後、返却されているメンバー表とリストをクラブが破棄しています。なお、ルール化して保存義務を設けていないため、破棄に対しては問題ない運用であることを前提として申し上げています。

その中で、リーグ側の改善ポイントがあるのではないかと考えているところがあります。まず、マッチコミッショナーのエントリー確認が不十分であったことは事実としてあろうかと思っています。これについて浦和レッズから報告を受けた際に、全マッチコミッショナーに対してしっかりエントリーチェックのポイントを再度共有して、有効期間内の正しいリストかどうかも含めて確認していただくよう周知しています。年に2回行われる研修でも再度マッチコミッショナーにはルール周知・徹底をしたいと考えています。
続いて、マッチコミッショナーの照合についてです。クラブから提出されたメンバー提出用紙とエントリー可能者リストは紙で提出されています。紙同士で照合する方法をとっているが、この方法自体にヒューマンエラーが発生しやすいとの課題認識を持ちました。長期的課題になるかもしれませんが、ヒューマンエラーが置きにくい状態にする必要があると考えています。例えば電子化などの改善も検討していきたいと考えています。

現在、マッチコミッショナーがエントリーチェックをしたあとに、リストをクラブに返却するのですが、クラブ側の原本の保存義務はありません。今回の事案を受けて、メンバー提出用紙やエントリー可能者リストの保存義務を設ける、あるいは、マッチコミッショナーが預かりリーグに報告するなどの改善措置をとる必要があると考えています。というのは、今回まったく事実はつかめていないものの、実際にこのようなことが起きたときに、有効期限内のエントリーリストが提出されていたのか、それとも(クラブから提出されたのは)有効期限外のリストである可能性もあり、事後的に確証を得る書類が今はありません。しっかり振り返れるように事実認定、保存義務、マッチコミッショナーが預かることなどを検討したいと考えています。
なお、誤解ないように申し上げるのですが、浦和レッズが古いリストを出してしまったのか、最新のリストを出したのか、提出状況はなんら確証がない状況です。

4、記録の取扱いについて
Jリーグ 中村
今回の規律委員会の処分を受けて、浦和レッズ湘南ベルマーレ戦のスコアが変わります。訂正版へ修正しているのでご確認いただきたい。備考欄に修正理由を明記しています。公式記録はメディアチャンネルにも掲載します。なお、各種ホームページ等で順位表や試合結果を公表しているが、それらについても、今回の処分を受けて2―3、0-3等、戦績を修正します。ただし、個人の記録は抹消されません(例:得点順位表など)。ユンカー選手は2得点したが、個人の得点記録は維持したままとします。本件、7月1日(木)15時時点で差し替えを行いました。

5、質疑応答
Q、処分の考え方についてもう少し踏み込んで教えてください。選手個人と浦和レッズへの処分は限りなく軽いものの、試合結果は厳格に対応されている。懲罰のバランスについて教えてください。

A、Jリーグ 黒田
今回の処分のバランスについて、(JFA懲罰規程上の考え方に基づき)懲罰は3つの要素から成り立っています。出場した選手個人、出場させたクラブ、試合の取扱いの3つの構成となります。規程では、出場した選手自身、出場させたクラブは本来、それぞれ最大で1カ月の出場停止となりますが、今回はケアレスミス等の酌量すべき事由があり、クラブに対しては大幅に軽減し、選手に対しては処分なしとしました。残る3つ目の試合の取扱いについては、公平性を担保するための規程の肝、骨となる部分であるため、これを軽減すると、懲罰規程が骨抜きになってしまうため、理由がどうであれ、クラブが出場させてはならない選手を試合に出場させた試合となり、無効な試合であったとみなされます。この3-0の負けの扱いは酌量によって軽減できないことから、最終的に2「規律委員会による処分内容」で説明した懲罰内容に至りました。
規律委員会では以上のような決定がなされました。
 
Q、これまでもヒューマンエラーが起きてもおかしくない仕組みであるとも思いますがこれまでも起こりうる状況ではなかったのでしょうか。さかのぼって調べますか。

A、J リーグ 中村
現時点では全量全てチェックはしていないが、過去、同様のケースは認識していません。
前提として、まずエントリー資格のある方をルールにのっとってエントリーすることはクラブに義務があります。Jリーグ公式検査もしくはJリーグ資格認定委員会での認定を受けてエントリー条件が満たされるという制度が用意されています。

Q、クラブ側のケアレスミスがあったとき、リーグとしてどうチェックするかの改善点はどう考えていますか。先ほどの資料の中にあった、マッチコミッショナーの照合のポイントは。

A、J リーグ  中村
マッチコミッショナーへの周知内容は、エントリー可能者リストとの照合方法。エントリー可能者リストに明記されている有効期間、陰性かどうか、選手の名前と背番号。メンバー提出用紙には名前があったが、エントリー可能者リストに名前がなかった、ということがないように、これらの点は既に年始の研修でも周知はしているが、改めてチェックをしていただきたいと再度の周知をしました。

Q、思い違いで誤ったリストが出されてしまうことへの予防策は。

A、Jリーグ 中村
マッチコミッショナーも人間ですので、ヒューマンエラーが起きやすい状況なのは確かなので、先ほど申し上げた、有効期限、名前、陰性の3つの点を特に確認してほしいと伝えていますが、チェックには限界があるので、リーグがより改善すべきとは思っています。
例えば、既にメンバー提出用紙上は出場停止処分の課された選手等にはエントリー提出用紙に既に「出停」と印字がされていてエントリーができないようになっています。同様に、たとえば、これは理想ではあるが、エントリー可能者のみがメンバー表に出てくるなど、電子化によって人が介在しない運用がとれないかを検討しなければと考えています。

Q、手続きの確認。仮に(処分に対し)浦和レッズに不服があった場合どのような手続きとなるのでしょうか。

A、Jリーグ 中村
不服申し立てをするかしないかはリーグがいうことではないので、クラブの意思が尊重されるべきです。手続き上、処分の通告から7日までに所定の手続きを行うこととなっています。
 
Q、今回の原因の一部にはリーグやマッチコミッショナーも関わると思うが、マッチコミッショナーの処分はありますか。

A、Jリーグ 黒田
リーグの規約規程の考え方としては、正しくエントリーする義務は浦和レッズにあります。マッチコミッショナーの義務とはなっていません。ただ、現場でできるだけ、両クラブが公正な状態で試合ができるよう努めるチェック機能はあります。チェックを怠ったとしても、規律委員会から処分が出る対象ではないという建付けとなっているため、マッチコミッショ ナーの規律上の処分はありません。ただ、公正に競技するうえでチェックの一端を担うのは確かであるため、より公正なチェックができるように改善をすべきであると考えています。

Q、マッチコミッショナーからチェックできていれば不正出場はとめられたのでしょうか。

A、Jリーグ 黒田
そうですね、もしマッチコミッショナーが気づいていれば、とめられた可能性もあります。

Q、浦和側のケアレスミスとの判断が出てきたが、客観性は。

A、Jリーグ 黒田
浦和へのヒアリングにおいてケアレスミスと聞いており、それをそのまま受け止めています。実際に現場で何をもってチェックされたのかは、古いリストか最新のリストかは残っていないのでわからず、詳しく断定できませんが、クラブとのヒアリングをもって、ケアレスミスと受け取っています。

Q、今回2-3から0-3になる一方で、ユンカー選手の得点の方は残る理由は。

A、Jリーグ 黒田
国内外の類似の過去事例に基づき決定した。同様の事案において出てはいけない選手が出た場合の取扱いについては原則3-0の敗戦扱いになるが、個人記録、選手の得点、試合中の懲罰(カード)、出場時間などは残しているとの事例に則りました。

Q、Jリーグで JFA 懲罰規程に基づく0-3の敗戦扱いは初めてでしょうか。

A、Jリーグ 黒田
Jリーグとしては初めてです。

Q、過去、類似事案は。

A、Jリーグ 黒田
天皇杯や国際試合であったと認識しています。

関連資料
JFA懲罰規程
https://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/br26.pdf
Jリーグ規律委員会規程
https://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/2020/12.pdf
Jリーグ規約 
https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/02_20210527.pdf
Jリーグ試合実施要項
https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/020_20210419final.pdf
Jリーグエントリー資格認定委員会規程
https://aboutj.jleague.jp/corporate/wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/012_20210201.pdf

 

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