豊田スタジアムで行われるラウンド16の相手は、韓国の強豪・大邱。今季はKリーグ1で3位につけ、ACLのグループステージでは川崎Fに敗れただけ。4勝2敗でノックアウトステージに進出した。その大邱で中心となるのは、191cmの長身FWエジガルと、テクニックとアイディアのあるセシーニャというブラジリアンアタッカー。7月に司令塔のブルーノ ラマが加入し、攻撃力がアップしている。スタイルは名古屋と同じ堅守速攻で、名古屋としては大邱のブラジリアントリオを止めることが最大のテーマとなるだろう。
ホームで戦うことができる名古屋は、直近の公式戦8試合で1失点と非常に堅い守備を誇っている。8月に札幌から期限付き移籍で加入したキム ミンテが、もともと堅い名古屋の守備に強さと高さを加え、セットプレーなどの攻撃面でも貢献している。中谷 進之介とのコンビネーションも試合を重ねるごとに高まっており、母国チームとの対戦でどんなパフォーマンスを見せるのか、注目したい。
一方で、勝利を得るためには攻撃面も重要。名古屋はグループステージの第3節でハットトリックを決めた山﨑 凌吾が負傷離脱中だが、EURO2020にも出場したポーランド代表・シュヴィルツォクが新戦力として加入。さらに金崎 夢生も負傷から復帰しており、FW陣に厚みが増している。
そのセンターFWの得点力を引き出すアタッカー陣は、ドリブルでの仕掛けに定評のある前田 直輝が絶好調。直近のJ1第28節・徳島戦やルヴァンカップ準々決勝・鹿島戦でも、得意な形から何度もチャンスメークした。さらに、リーグ前半戦は出場時間が少なかった森下 龍矢も、ディフェンスラインを打ち崩すスピードでチームに新たな刺激を加え、東京五輪に出場した相馬 勇紀も直近のリーグ戦ではPKを獲得するなど状態が上向き。セットプレーからマテウスの一発もあり、見どころが増えてきた。
その上で、勝利のカギを握るのはボランチの存在になるだろう。2枚になるのか、3枚で臨むのかで戦術も多少変わるが、このポジションの運動量で相手の攻撃をせき止める。もしくはコースをしっかり限定することで後ろの守備がしやすくなり、無失点に抑えられる確率も高まるだろう。
名古屋のACL最高成績は2009年のベスト4。その後の2011年と2012年は、このラウンド16で涙を呑んでいる。タイトルの可能性を残し、ファン・サポーターを楽しませるためにも、ホームの一戦を取りこぼすわけにはいかない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
