AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は“やることなすことすべて初めてで新鮮な甲府”にとって、グループH第2節はACL初のホームゲーム。ホームとはいえ、普段リーグ戦で使用しているJIT リサイクルインク スタジアム(呼称ではない正式名称は山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場)はACLの基準を満たさないため、国立競技場での開催となる。味の素スタジアムなども候補に挙がったようだが、東京のど真ん中の国立を、山梨県とヴァンフォーレ甲府をアピールする場として位置づけた。東急田園都市線渋谷駅にビッグポスターを掲示して告知したこともその一環。「知っている選手がいない……」なんて残念なポストもあったようだが、おおむね好評な印象で、甲府のファン・サポーターにとってものすごくインパクトがあるビッグポスター掲示になっている。
甲府はリーグ前節で水戸に2-1の逆転勝ちを収め、6位に浮上。J1昇格プレーオフ進出に向けて一歩前進した。そこから中3日で今節・ブリーラム戦を迎える。リーグ戦のメンバー主体で臨むのか、アウェイでの前節・メルボルンシティ戦のようにターンオーバーなのかは分からないが、ブリーラム戦後のリーグ次節はまた中3日で首位・町田にアウェイで挑むスケジュールなので、リーグ戦のメンバーで公式戦3連戦は考えにくい。篠田 善之監督は体力的にハードめの起用をすることが比較的多いと感じるが、ホームゲームとはいえ、普段のリーグ戦なら“近いアウェイ”といえる移動が入るため、ターンオーバーが有力ではないか。
甲府が国立で迎え撃つブリーラムはタイの強豪で、リーグ2連覇中、さらにいうと2年連続で3冠を達成している。鹿島、大宮で監督経験がある石井 正忠氏が監督を務めたこともあるクラブだ。ブリーラムは甲府が水戸と戦った9月30日に来日しているが、クラブのインスタグラム等を見ると、9月29日の試合が天候理由で中止になった模様で、中8日で甲府戦を迎えることになる。29日の試合は途中まで行われた様子なので“中8日”にはならないかもしれないが、イレギュラーがあったことは確実。その影響がどう出るかは分からないが、甲府にとってはイレギュラーがあってもなくてもタイの強豪クラブとの公式戦はビッグゲームだ。
2021年にC大阪でACLに出場した松田 陸は「ブリーラムと試合をしたことはないですけど、タイのクラブならポートFCと試合をしたことがある。そのとき感じたのは、粘り強く戦って最後は外国籍選手が決めにくる感じ」と印象を話す。海外クラブの情報はバルセロナやマンチェスター・シティなら豊富に入ってくるものの、公開されているアジアのクラブの情報は少なく、タイ語の壁もあるので検索もうまくできない。もちろんクラブはさまざまなルートから情報を入れているが、どちらにしろ“まずやってみましょう”から始まる。“思ったよりやれた”メルボルンシティ戦の反対も想定内にして戦うだけだ。
Jリーグのほかのクラブのファン・サポーター、特に明治安田J2を戦うライバルクラブや、昨季まで長く一緒にJ2を戦った新潟のファン・サポーターも興味を持ってくれるだろう。甲府は山梨県の代表、Jリーグの代表、日本の代表という自覚と誇りを持って、初となるACLのホームゲームを戦う。
[ 文:マツオ ジュン ]