前節・山東泰山戦は、4万人を超える大観衆の“完全アウェイ”の中、序盤はミスが目立ち、守備でも強力な外国籍選手に手を焼く。ただ、徐々にアウェイの雰囲気に慣れ、相手の狙いを理解すると37分、相手陣深くに進入したエウベルのクロスに水沼 宏太が合わせて先制に成功する。後半、山東泰山に決定的なシュートを放たれたが、ポストに助けられるなど虎の子の1点を守り切って、勝利を収めた。
今大会ホーム初勝利が懸かる今節だが、チーム事情は厳しい。ケヴィン マスカット監督が「自分の30年間のキャリアの中でもなかったことが起きている」と語るようにケガ人が続出しており、限られた選択を強いられている。直近のJ1第30節・札幌戦(4○1)でも、カヤFC戦とそこから中2日で控えるJ1第31節・福岡戦を見据え、プレータイムを管理しながら早めの交代でゲームを進めた。
その札幌戦では本職がボランチの喜田 拓也がCBで出場し、獅子奮迅の活躍だった。焦点は、札幌戦前の時点ではCB5人のうち實藤 友紀しか起用のメドが立っていなかった状況からの変化の有無。最も早く復帰できる可能性があるのはエドゥアルドだが、福岡戦も控えていることから、無理はさせられない。いずれにせよ、CBのユニットは注目だろう。
対するカヤFCは初戦の山東泰山戦を1-3、前節・仁川(韓国)戦では0-4の完敗を喫し、アジアの壁を前に力を発揮できていない。スコアに反映されているように、グループGの中では最も力が劣るとみられる。FWの主力には堀越 大蔵を擁し、日本への凱旋試合でどのようなパフォーマンスを見せてくれるかは楽しみだ。
横浜FMの視点としては、今節に続き、次節もカヤFCとのアウェイ戦が控える。つまり、ラウンド16に確実に進めるグループ1位突破を目指す上で、ライバルの山東泰山と仁川が今節から2戦連続で星をつぶし合う。格下と思われるカヤFCに連勝すれば、1位に浮上する可能性も大いにある。山場となるグループG第5節のアウェイ・仁川戦、第6節のホーム・山東泰山戦にはずみをつけるためにも、カヤFCとの連戦は重要な位置づけとなる。
勝利のポイントは札幌戦で“らしさ”を取り戻したアタッカー陣。攻撃性の高いパフォーマンスを継続し、早い時間帯で先制さえできれば、力を抜いて試合を進めることができるはず。一方で初戦の仁川戦のように常に先行を許す展開だけは避けたいところである。
[ 文:大林 洋平 ]