グループ首位浮上の可能性はすでについえているが、2位通過の道はまだ残されている。いくつかの条件が重なる必要があるものの、それは2位争いをするほかのグループにおいても同じこと。そしてグループJは、浦和がクラブW杯に参加する影響もあって、他グループより1週間早く最終節を迎える。
どのように転ぶにせよ、浦和は勝利が絶対条件。その上で、他グループの結果を待つほかない。幸いなことに、現状の得失点差から今節で大量得点を狙う必要はない。どのみち他会場の結果に左右されるものではあるが、勝利にだけフォーカスすればいいシンプルさは戦いやすさにもつながるだろう。
第2節の前回対戦では6-0と圧勝しており、この試合を基準とするならハノイは“格下”ということになる。ただ、ホームとアウェイで戦い方も雰囲気もガラリと変わるのがアジアの戦いであり、東南アジア勢は特にその傾向が強い。
会場となるミーディン ナショナル スタジアムは約4万人の収容を誇り、グループJ第1節・浦項(韓国)戦では約1万5千人、前々節・武漢三鎮(中国)戦では約1万人が詰めかけた。浦和としては、それなりの圧は覚悟して試合に臨まなければならない。そうでなくても、無失点に抑えたとはいえ前回対戦では決定機に近い形を何度か作られている。先制を許せばスタジアムの雰囲気も戦う上でますます難しくなることが予想されるため、慎重に入りつつもなるべく相手陣内で試合を進めたい。
前述のとおり苦しい日程だが、ここが公式戦4連戦の締めくくり。総力戦で乗り切りたいところだが、起用できるメンバー、されるメンバーが限られてもいる。手術を終えてリハビリ中の酒井 宏樹に加え、前節・武漢三鎮戦では髙橋 利樹と大畑 歩夢が負傷交代。SBは明本 考浩と、コンバートされた関根 貴大に頑張ってもらうしかない。
札幌戦で復帰した伊藤 敦樹もコンディションが不十分という様子で、ボランチは岩尾 憲と安居 海渡のコンビが濃厚だろうか。ホセ カンテも直近の3連戦中2試合で先発出場しており、再度のスタメン起用は難しいかもしれない。ただ、ブライアン リンセンとアレックス シャルクのオランダコンビは健在で、ここにきてパフォーマンスを上げている。
そして、前節に引き続きベンチでの指揮は執れないものの、今季をもって退任することが決定している、マチェイ スコルジャ監督が率いる試合もあとわずか。「ACLでグループ突破を目指し、次の試合を戦います。クラブにとって大事なものです。(リカルド ロドリゲス)前監督が残してくれたように、私も残さなければいけない」と指揮官は意気込む。
リーグ戦で滑り込めなかった以上、アジアの戦いを継続するにはグループステージを突破し、もう一度王者に輝くしかない。浦和が浦和であるための戦いに挑む。
[ 文:沖永 雄一郎 ]