横浜FMは前節、極寒の韓国の地に乗り込んで仁川と対戦。結果的に勝利していればグループステージ突破が決まった一戦だったが、序盤に警戒していたカウンターから失点すると、67分にもミスからショートカウンターを許して失点。反撃は終盤のエウベルの1点にとどまり、2敗目を喫した。
ただ、グループステージ突破に望みはある。勝点9の横浜FMと仁川が今節で勝利した場合、山東泰山を含めた3チームが勝点12で並ぶ。この際は当該クラブ間の対戦成績が優先され、獲得勝点で“三竦み”となるため、得失点差、総得点の順に順位が決まる。得失点差による条件で見ると、すでに当該クラブ間の対戦を終えた仁川の得失点差は『-1』。仁川に連敗し、現在、得失点差が『-2』の横浜FMは2点差以上をつけて勝利すれば、仁川を上回って2位に浮上する。ちなみに、3点差以上の勝利で山東泰山も上回り、首位通過となる。
ゴールを奪わないと話が始まらないだけに、主将・喜田 拓也はこう前を見据える。
「突破の条件はもちろん頭に入っている。でも、戦い方は特に変えるつもりはない。笛が鳴った瞬間から点を取りにいく。それはずっとやってきたこと。最初から焦りを持つ必要もない。チームの力の引き出し方については、自分がしっかりと舵取りしながらやっていきたい。逆転可能な点差だと思うし、これまでも自分たちはやってきた。何もネガティブな要素はない。思い切って戦い、自分たちがやってきたことに誇りを持って、示したい」 人事面で来季に向かって動きがあるシーズン最終盤だが、トリコロールを引っ張ってきたバンディエラはこの一戦を今季の集大成として位置づけ、決戦に臨む心構えだ。
10月にアウェイで行われた山東泰山との前回対戦は、観衆4万人を超える“完全アウェイ”の下、水沼 宏太が挙げた虎の子の1点を守り切って勝利を収めた。その一戦では元ベルギー代表のマルアン フェライニやブラジル国籍のクリサン、モイゼスに苦しんだが、中国スーパーリーグが終了してから1カ月以上経っており、来日メンバーに含まれるかは不透明である。
もしその“助っ人”たちが出場しなければ、前回対戦よりも力が落ちるのは確か。だがその反面、仁川戦でもそうだったように、国内組のみの編成のほうが一体感が生まれ、球際の強度が高まる可能性もある。アジア広しと言えど、横浜FMほど攻撃的なチームは珍しいだけに、開始からフルスロットルで先手を奪いにいった上で、相手が落ち着くまでの序盤の時間帯で、一気に畳みかけるのが理想的な展開となる。
[ 文:大林 洋平 ]