横浜FMは2月のラウンド16でバンコクU(タイ)と対戦。アウェイでの第1戦を2-2で引き分けて迎えたホームでの第2戦は、力量差がある相手だったことに加え、過去に二度敗退している“ベスト16の壁”を打ち破ろうとモチベーションも高く、一方的な展開が続く。ところが、フィニッシュ精度の欠如や相手の体を張った守備に遭い、90分では決着がつかず、スコアレスのまま延長戦に。最終的には30本近くのシュートを放ったものの、流れの中からはネットを揺らせない。それでも、PK戦突入かと思われた土壇場で獲得したPKをアンデルソン ロペスが冷静に沈め、クラブ史上初となるアジア8強を決めた。
クラブとして準々決勝での戦いは初めてだが、直近では2020年以降、アジアでの厳しい戦いをこなしてきた経験値はある。さらに先のステージへの期待感もある中、ラウンド16第2戦を終えた直後、主将・喜田 拓也はこう力強く言い切った。
「僕自身も何度も壁に阻まれて悔しさを味わい、その景色、感情を忘れたことはなかった。そして、このクラブの未来を切り拓くために全員で戦い、これから新しい景色が見られる。だけど、ここで満足することは絶対にない。このクラブならもっと上に行ける。それを自分たちも信じている。勝ち進むことでもっと良い新しい景色が見られるだろうし、それを望んでいる」 その“新しい景色”の第一関門として立ちはだかる山東泰山とは昨年のグループステージで対戦。10月にグループG第2節(1○0)、12月に第6節(3○0)を戦い、トータルスコアは4-0と分の良い相手ではある。互いにオフシーズンを挟み、多少の選手の入れ替えはあったが、主要な選手は残っている。
イメージの良い相手だが、ラウンド16第2戦ではアウェイで川崎Fを4-2で撃破し、逆転で勝ち上がってきており、力があるのは確か。昨季とは“別物”と考えたほうがいいだろう。
要注意人物として挙げられるのが、ブラジル国籍のクリサンである。グループステージでは得点こそ許さなかったが、第2節ではポスト直撃のシュートを二度浴びるなど、際どいシーンを作られた。川崎Fと戦ったラウンド16第2戦でも個の能力の高さを発揮して2ゴールを奪っており、実力は折り紙付きだ。
さらに今季、蔚山(韓国)から加わったジョージア代表のバレリ カザイシュビリも実力者。ラウンド16の2試合ですでに2アシストをマークしている。トップ下または左ウイングでの起用が予想され、クリサンとの連係には注意が必要だろう。
[ 文:大林 洋平 ]