ヴァレール ジェルマンは、前所属のマッカーサーFC(オーストラリア1部)の選手として2024年2月に行われたAFCカップのCCマリナーズ(オーストラリア)戦に出場。試合後の相手選手への暴力行為でAFCから3試合の出場停止処分を受けており、その出場停止処分が未消化のまま今回の試合に出場したことで処分が下されることになった。
よって、第1戦は没収試合となり、広島の0-3の敗戦として扱われることになった。そして、罰金1,000ドルと、準々決勝の参加報酬160,000ドルのうち80,000ドルの支払いが行われないことにもなり、クラブは8日、「今回の事案について確認が不十分であったため、出場停止対象者を出場させてしまったことについて、皆さまに多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。 今後このような事態が起きぬよう、再発防止に努めるとともに、関係各所と連携して取り組んでまいります」とコメントを発表した。
昨年の秋に開幕した今大会のタイトルを獲得するため、広島はミヒャエル スキッベ監督の下で大きな力を注いできた。それだけに今回の事態は残念でならないが、不幸中の幸いと言えるのが、まだ敗退が決まったわけではないことだろう。
第2戦にて、トータルスコアで逆転すれば準決勝に進出できる。第1戦が0-3になったため、第2戦で4点差以上の勝利を収めるか、90分間を3点差のリードで終え、延長戦、PK戦の勝負に持ち込んで勝ち上がっていくか。広島が勝ち進むためのハードルは決して低くないが、広島ならば飛び越えていける可能性はある。
昨季の明治安田J1で最多となる72得点を挙げたチームは、今季も新たなタレントを加えてゴールを奪い続けている。ジャーメイン 良は5日の第1戦で二度ゴールネットを揺らした。どちらもGKとDFの間のスペースに走り込んでクロスに合わせた形で、いよいよ広島で本領が発揮され始めている。大卒ルーキーの中村 草太も先発出場するようになり、さらに危険なアタッカーであることを示している。スピードを生かしながらフィニッシャーとチャンスメーカーの両方を担える22歳が第2戦でも相手に脅威を与え続けるに違いない。
ボランチの田中 聡も非凡な得点センスを見せ、左ウイングバックの菅 大輝もチームに活力をもたらしながら、セットプレーを含めて得点に関与し続けている。そして、ミヒャエル スキッベ監督の下で攻守に主体的でアグレッシブなサッカーを築いてきた既存の選手たちの充実ぶりも目覚ましい。
セーラーズのホームスタジアムは人工芝になる。環境面も含めて難しい戦いになるが、それらもすべて乗り越えていけるのではないか。このチームなら、そう期待できる。
[ 文:寺田 弘幸 ]