AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝第1戦ではホームで思わぬ苦戦を強いられ、1-1のドロー。その消化不良感のある雰囲気は、J1百年構想WEST第5節・長崎戦の逆転勝ちで一掃された。
「リーグ戦の結果としても大きいし、明日移動してACL2もあるので、その気持ち的な面でもだいぶ大きい勝利だと思う」と話したのは、殊勲の決勝ゴールを決めた半田 陸だ。
長崎戦を終えた翌日にタイへ移動し、中2日の連戦を戦うことになるG大阪だが、疲労感よりも2つの大会で結果を出し続けている充実感がチームを支えている。
「まず第1戦で同点に追いつけたことで、次への望みもあるので満足はしている」とイェンス ヴィッシング監督。第2戦では、シンプルに勝てば準決勝進出が決定する。
失点の多さは課題だが、ポジティブな要素は多くの試合で決定機を作れていることだろう。その攻撃陣を見てみると、第1戦を欠場したイッサム ジェバリが戦列に復帰し、守備で効いている食野 亮太郎は長崎戦で温存され、休養をとれた。また、第1戦でチームを救う同点ゴールを決めた名和田 我空もチーム内で序列を高めている。ラーチャブリーは時に6バック気味で守ってくるが、その“人海戦術”をこじ開けられるタレントはそろっている。
ラーチャブリーとはグループステージでも対戦しており、昨年10月のアウェイ戦では湿度の高さに苦しんだ。半田 陸も「本当に暑かったし、すごくキツくて前半は苦しめられた」と言う。中2日で再び赴く今回、粘り強く戦いながら先制点を取るのが理想の戦い方だ。
一方のラーチャブリーは、三度目の対戦となった第1戦で初めてG大阪のゴールをこじ開けることができた。引き分けは上々の結果と言える。ワラウート スリマカ監督は試合後の会見で「少なくとも勝点を取って(タイスコア以上で)ホームに帰ることが必須だった。ホームで第2戦を戦って次に進みたい」とコメントし、タイでの決戦に意欲を見せた。
週末に予定されていた国内リーグの試合が延期となり、万全のコンディションで挑んでくるラーチャブリー。複数の新戦力を加えたそのチーム力はグループステージ当時とは別物だ。第1戦で先制点を決めた新戦力の左SBダニエル ティンは可変システムを支える1人。既存戦力では、両サイドのデニルソン ジュニオールとネゲバが個の突破力を見せていた。そして、G大阪の選手の多くが第1戦後に、イヤな存在だったと名前を挙げたのが、岡山と大分でプレーした新加入のグレイソンだった。「少し時間を作れるし、そこからサイドという形になる」と半田 陸も前線で起点になるグレイソンを警戒する。
イェンス ヴィッシング監督にとっては、初めて経験する高温多湿の地での戦い。後半からの選手交代が冴えている中、その手綱さばきも勝利のカギを握りそうだ。
激戦は必至。Jリーグを代表する名門として準決勝への切符は譲れない。
[ 文:下薗 昌記 ]