しかし、チームにはさらなる逆風が吹いている。
11日に行われた明治安田J1百年構想WESTグループ地域リーグラウンド第10節ではC大阪に0-1で敗れただけでなく、前半に半田 陸が負傷交代するアクシデントに見舞われた。
イェンス ヴィッシング監督にとって、一番の悩みどころは最終ラインの構成だ。第1戦で退場処分となった中谷 進之介が出場停止となるため、本来ならば半田 陸もCBの候補の1人だったはず。負傷者が続出している中、ルーキーの池谷 銀姿郎を抜擢するのか、それとも布陣を変えて挑むのか、その決断に注目だ。
最終ライン以外の選手に目を向けると、C大阪戦でプレーしなかったイッサム ジェバリや美藤 倫らはフレッシュな状態で臨める。疲弊したチームを支えるパフォーマンスの発揮に期待したい。
また、第2戦でカギを握るのは試合の運び方。G大阪としては、先にゴールを許す展開は絶対に避けたい。食野 亮太郎も「勝つしかない。逆に先に1点取れば、タイスコアになる。先制点を取ること、そして先制点を取らせないこと。最悪、延長戦でもいいのでトータルで試合を考えたい」と、先制点をポイントに挙げている。立ち上がりから攻勢をかけたい状況ではあるが、第1戦で5バック気味にして割り切って守備に徹してきたバンコクUに対し、まずはリスク管理を徹底し、粘り強く戦いながら先手をとるのみだ。
一方のバンコクUは11日に行われた国内リーグ戦を完全ターンオーバーで戦っており、第2戦に万全の状態で挑んでくるはずだ。ディフェンスリーダーのエベルトンは第1戦を終えたあと、「アウェイで難しい試合を勝てたが、まだ90分残っている。アドバンテージを生かして決勝に進みたい」と話した。
G大阪を徹底分析し、第1戦ではイッサム ジェバリ対策を講じたトチャワン スリパン監督は、キックオフ時に30℃を超えることが予想される気温もアドバンテージにして、迎え撃つ準備をしているはずだ。第1戦でカウンターをけん引したオマーン国籍のムフセン アルガッサニのクレバーなプレーにも注意しなければならない。
G大阪はキャプテンの中谷 進之介を欠く苦境ではあるが、「絶対に第2戦でひっくり返して僕らが決勝に行きたい」と初瀬 亮が力強く言い切った言葉はチーム全員の思いでもある。今大会、チームを支えてきたベテランのGK東口 順昭と三浦 弦太、そして神戸時代にもアジアでの経験を積んできた初瀬 亮らの存在は間違いなく武器になる。
不格好でも泥臭くてもいい。結果だけを追い求め、G大阪が運命の一戦に総力戦で挑む。
[ 文:下薗 昌記 ]