17日、J1の優勝戦線を占う鹿島との上位直接対決に挑んだ神戸。勝点5差の首位に対し、勝つことだけを求めたものの、結果はスコアレスドロー。多くの選手が悔しさを抱えた試合ともなったが、内容面で悲観するところはどこにもなかった。
87分からピッチに立ち、短い出場時間ながら奮闘を見せた井出 遥也は「0-0の状況だったし、『自分がヒーローになってやろう』とはもちろん思っていた」と振り返る。「引き分けで勝点差を縮められなかったことは何とも言えないけど、やるべきことをやった試合でもあった。リーグ戦は残り4試合、自分たちは勝つことでしか(逆転優勝への)望みはない。今日のパフォーマンスを引き続き出すしかないと思っている」と強い視線を次に向ける。
だからこそ、鹿島戦から中4日で迎える今節には大きな意味がある。井出 遥也は江原戦の位置づけをこう口にした。
「メンバーがどうなるかは分からないけど、やっぱり試合に出ていない選手はみんなメラメラしていると思う。ACLEで結果を残して、『リーグ戦でヒーローになってやろう』とは多分全員が思っている。そういう思いを持ってACLEに行きたい」 神戸は前節、メルボルン・シティ(オーストラリア)とホームで対戦し、1-0で勝利した。相手の巧みなパスワークに大いに苦しめられたが、後半アディショナルタイムに汰木 康也が劇的なゴールを挙げて勝利をつかんでいる。井出 遥也が言葉にする“ヒーロー”になるチャンスは誰もが一様に持つ。今回の舞台はアウェイ・韓国であり、難しい試合になることは確実だが、春川松岩スポーツタウン・スタジアムで強い思いをぶつけるだけだ。
対する江原は昨季、かつてC大阪などを率い、日本でもなじみ深いユン ジョンファン氏の指揮の下、Kリーグ1で2位となってクラブ史上初のACL出場権を獲得。今季からはアシスタントコーチを務めていたチョン ギョンホ氏が監督に就任し、リーグ戦ではレギュラーシーズンの全33節を終えた時点で6位につけて上位グループ入り。全北現代のリーグ制覇は確定したが、1位~5位と対戦するファイナルラウンド(順位決定戦)で2季連続の上位入りを目指している状況だ。
ACLEでは初戦で上海申花(中国)をホームに迎え、2-1で歴史的な勝利を飾ったが、アウェイで成都蓉城(中国)と対戦した前節は0-1で敗れ、現在5位につける。リーグ戦とメンバーを入れ替えながら臨んでおり、今節の起用選手は不透明。7月のE-1選手権で韓国代表に選出されたソ ミンユや今夏札幌から加入したキム ゴンヒらが主力を担う。タフに戦えるチームだけに、神戸としても粘り強く挑み、勝機を手繰り寄せたい。
[ 文:小野 慶太 ]