前節は激しい得点の奪い合いだった。前半のうちに3失点を喫した中、佐々木 大樹、宮代 大聖、鍬先 祐弥の3人を後半開始から投入することで流れは変わった。鍬先 祐弥は「点を取りにいくしかない状況だった。大聖や大樹も含めて、前からどんどんボールを取りにいって相手に圧力を掛けようと」と話し、宮代 大聖、ジェアン パトリッキが立て続けに得点を奪って1点差に詰め寄ると、89分に宮代 大聖が決めて同点に。最終的に90+5分の失点で敗戦となったが、3点ビハインドから追いつく力を見せたことは前向きに捉えられる。
江原戦は、リーグ戦出場組からメンバーをガラリと変更して臨んだ。フル出場した山内 翔は「(後半頭から投入された)3人が出る前のメンバーでも十分戦える試合だったと僕は思っている。3人が入って良くなったと言われるのは、出ている選手としてはすごくもどかしい気持ちはある」と率直に語り、悔しさを受け止めつつ、強い覚悟も養っている。
「そこをもっと初めからやることが大事。戦術はもちろんあるけど、まずは自分たちがやるべきことをしっかりできるように。『リーグ戦に出ているメンバーとこっちのメンバーは……』と最近は言われることがよくあるけど、その中でも『こっちのメンバーもできるんだぞ』というのを去年は見せることができていた。今年はもっとそれを出さないといけないと思っている」(山内 翔) 対する蔚山は昨季までKリーグ1を3連覇していたが、今季は一転、第33節のレギュラーラウンドを終えて9位と低迷し、下位6チームによるファイナルラウンドに回った。12位は自動降格、10位、11位はKリーグ2のクラブとの入れ替え戦に臨むことになるが、蔚山は残留圏内ギリギリの9位。9日には勝点2差の10位・水原FCとの大事な試合を控えているため、神戸戦に起用されるメンバーは流動的と言えそうだ。リーグ戦では思うような結果が残せていない一方で、今大会はここまで2勝1分で首位に立ち、前節では広島を破るなど好調を維持している。
今節でひときわ注目を集めそうなのは、過去に神戸に在籍していたチョン ウヨンの“凱旋”があるかどうか。前回大会の10月に蔚山のホームですでに対戦しているが、かつてチームメートとしてプレーした岩波 拓也は「彼もこっちに来るのを楽しみしているだろうし、サポーターの皆さんも楽しみだと思う。良い順位での対戦になるし、その意味でも楽しみな試合」と上位対決として対戦できる可能性に腕をぶす。出場してくれば神戸にとって厄介な選手になることは確実だろう。
そのチョン ウヨンを含めて蔚山は足元の技術が高い選手がそろう、ポゼッション力のある相手だ。神戸にとって、連動したハイプレスで圧力を与え続けられるかは勝利への大きなポイントとなる。
[ 文:小野 慶太 ]