この2回戦から登場する札幌は2018年にペトロヴィッチ監督が就任して以降、継続して『タイトル獲得』をシーズンの目標に掲げており、同監督が就任して4年目を迎える今季はより強い意欲を持って目標達成に挑む様相である。並行してAFCチャンピオンズリーグ出場も大きな目標の1つとして掲げているとあって、優勝すれば2つの目標が同時に達成できるこの天皇杯では、上位進出を強く視野に入れている。
そんな札幌の直近の公式戦となったのは、6月6日のJリーグYBCルヴァンカッププレーオフステージ第1戦の横浜FM戦だ。この試合ではパスワークを売りとする横浜FMを相手に高いエリアからタイトな守備を遂行して封じ、青木 亮太のファインゴールで先制。最終的には引き分けに終わったものの、上々な戦いぶりを演じていた。ここ最近はチームのパフォーマンスも安定し、5月は川崎Fに接戦で敗れた以外は黒星がなく、調子は上向いている印象だ。
一方、北海道に乗り込んでの番狂わせを目指すソニー仙台FCは、現行のJFLが発足した1999年から同リーグで戦っており、さらに遡れば発足が1968年という名門クラブだ。昨季のJFLは3位で終えており、今季は第11節終了時点で勝点17の5位という状況である。
5月22日に行われた天皇杯1回戦では福島県代表で現在JFLで首位に立つ、いわきFCと対戦。最終的な記録としては90分間と延長戦を合わせて相手に倍の20本のシュートを打たれてしまったものの、北海道出身のGK鴨川 優斗を中心とした粘り強い守備で応対。85分に先制点を許してしまったが、90+3分に平田 健人が右CKから相手のクリアボールが流れてきたところを頭で押し込み、攻撃でも粘りを見せて劇的な形で延長戦へと持ち込んだ。
延長戦では逆に延長前半の101分に佐藤 碧のスーパーゴールで奪ったリードを延長後半に追いつかれる展開となってしまったが、そのまま決着がつかずに進んだPK戦を4-2で制して2回戦へとコマを進めている。
さて、そんなチーム同士が激突するこの一戦だが、焦点となるのはやはりソニー仙台FCがJ1の札幌をどれだけ脅かせるのかという部分だろう。言うまでもなく、試合が始まってみなければ分からない部分ばかりではあるが、攻撃的なスタイルを志向する札幌に対し、ソニー仙台FCもアウトサイドに攻撃の起点を求めることもできるし、中央からテクニカルな突破を仕掛けることもできる。
札幌が2017年にJ1に復帰してからのシーズンを振り返ると、同年と2019年にこのラウンドで姿を消しており、いずれも格下クラブとの得点の奪い合いに敗れている。そうしたことを踏まえると、攻め合いになれば何かが起きる可能性が高まるのかもしれない。
試合は9日。キックオフ時間は19時から18時へと変更されているので、ご注意を。
[ 文:斉藤 宏則 ]