そんなメンバーの大幅な入れ替えがある中でスタートした今季。昨季までと同様の、ハイプレスとハイレベルなポジショナルプレーをベースにしたサッカーの継続を目指してスタートするが、既存と新加入選手の融合作業は予想以上に難航して苦しいスタートとなった。初勝利はJ2第5節の群馬戦、ホーム初勝利は第15節の大宮戦まで待つことになった。
しかし、第16節の町田戦を1-0でモノにして今季初の連勝を収めると、第17節の磐田戦は0-2で落としたものの、ハイプレスからのショートカウンターで複数のチャンスを作り出すなど、北九州らしいアクションサッカーの片りんを表現できるレベルにまでチーム力が向上したことをうかがわせており、良い状態でこの一戦を迎えることになった。
10番を背負うエース・髙橋 大悟が「とにかくウチは勝たないとチームとして前に進めないと思うので、とにかく勝ちにこだわっていきたい。そのために一人ひとりの小さい勝負からこだわる必要がある」と言うように、かなり高いモチベーションを持ってこの試合に臨みそうだ。
また小林 伸二監督も「相模原は監督が代わって、おそらく最終ラインは4枚ではなく3枚でくると思うが、そのへんの情報も探りながら、戦い方とメンバーを考えたい」と、長崎が同郷となる高木 琢也新監督が指揮を執る相模原の変化には警戒感を示している。
天皇杯1回戦で東京都代表の駒澤大に3-1で勝利を収めてこの2回戦にコマを進めた相模原は今季、クラブとして初めてJ2の舞台で戦っているが、北九州と同様に苦しいシーズンとなっている。J3からの昇格に導いた三浦 文丈監督の下で勝点50の獲得を目標にシーズンをスタートさせたが、第4節の大宮戦でJ2初勝利を挙げるもののその後は思うような結果が出ず。第10節・千葉戦での2勝目以降は1分5敗と6試合未勝利となり、第16節・山形戦で0-2の敗戦を喫するとクラブは監督交代を決断。三浦監督に代わって、高木監督を新監督として迎えて再建に着手することになった。
高木監督の初陣となった第17節・長崎戦は0-1で落としたが、それまでの[3-5-2]から、高木監督が長崎や大宮で指揮を執っていたときにベースとした[3-4-2-1]システムに変更。構えて守るのではなく、前からボールを奪い、圧力を掛けるスタイルへと変化させている。
長崎戦後に高木監督が「『次につながるゲーム』という言葉は、実はあまり好きではないが、今日のゲームはまさに次へつなげていけるものになったと思う」と話したとおり、失点は1点に抑え、無得点に終わったものの長崎の3本に対して13本ものシュートを放つなど、攻撃面でも手ごたえをつかむ試合になった。
現在リーグ戦において18位の北九州と最下位の相模原が、それぞれに浮上への手ごたえをつかみつつある状況で相まみえるゲームは興味深い。7月頭のJ2第21節での対戦を控えていることも含めて、両指揮官がどんな采配を振るい、ピッチに立つ選手たちがどんな姿勢とパフォーマンスを発揮するのかに注目したい。
[ 文:島田 徹 ]


