YS横浜は現在、明治安田J3で2勝3分5敗の12位につけている。シーズン序盤はなかなか勝利を得られず苦しんだが、5月22日の天皇杯1回戦が転機となった。試合は22分に流通経済大の安居 海渡に目の覚めるような直接FKを決められる苦しい展開となったが、前半のうちにPKで同点に追いつくと、後半開始早々にもPKを獲得して土館 賢人が再び蹴り込み、逆転に成功。その後、追いつかれたものの、80分にンドカ チャールスが決定機を沈めて激戦を勝ち上がった。これを機にリーグ戦でも2連勝を飾り、公式戦3連勝としたが、リーグ前節は八戸に0-3と大敗。気を引き締めて鹿島との対戦を迎える。
彼らを迎え撃つ鹿島は公式戦15連戦を終え、6月6日に行われたルヴァンカッププレーオフステージ第2戦・清水戦以来となる久しぶりの試合だ。U-24日本代表に招集されていた沖 悠哉、町田 浩樹、上田 綺世の3人の出場は微妙だが、体調不良が続いていたエヴェラウドがルヴァンカッププレーオフステージで活躍するなど戦力的な不安はない。GKではベテランのクォン スンテ、CBでは林 尚輝が沖や町田と遜色ないパフォーマンスを見せている。
YS横浜と鹿島は初めての対戦となる。今年度の天皇杯2回戦では、横浜FMやFC東京が敗れており、川崎Fも長野に大苦戦している。初対戦ということで、対策も練りづらい部分があるだろう。おそらく、相馬 直樹監督はボールに強くプレッシングを掛ける自分たちのやり方を強調するはずだ。4バックと3バックの両方のシステムを持つYS横浜が、それをどのように受け流すかが注目される。ただ、YS横浜の守備陣にはそこまで背の高い選手がおらず、セットプレーからの失点も散見される。エヴェラウドや犬飼 智也などセットプレーで高さを発揮する選手が多く、荒木 遼太郎や永戸 勝也といったキッカーもそろっている鹿島にセットプレーからゴールを許してしまうと、試合を優位に運ばれてしまう。YS横浜としては粘り強く対応したいところだ。
カテゴリーが上の鹿島が優勢なのは当然だろうが、天皇杯がそこまで簡単な大会でないことは数多くの試合が示してきた。YS横浜の選手にしてみれば、鹿島と対戦できる機会はそうそう得られるものではない。神奈川県代表を勝ち取った時点で、この試合を目標にしてきた選手も多いだろう。また、今回の会場は県立カシマサッカースタジアムではなく、ケーズデンキスタジアム水戸で行われる。その意味でも、一概に鹿島が有利とはいえないだろう。
[ 文:田中 滋 ]