岩手は天皇杯2回戦でJ1の仙台を撃破。開始からわずか2分で韓 勇太がネットを揺らし、幸先よく先制した。その後は耐える展開が続いたが、秋田 豊監督は「守備は最後までスキがなく、失点の心配はなかった」と決定機は最小限に抑え、逃げ切り勝ち。三度訪れた決定機を生かせなかったことは反省材料だが、2016年に続く仙台撃破で3回戦にコマを進めた。
しかし、直近のリーグ戦では2連敗と結果が出ていない。守備が崩れるシーンは少ないものの、セットプレーからの失点など、勝負どころで敗れて勝点を失っている印象だ。また、奪ったボールをどうゴールに結びつけるかにも改善の余地が残る。ただ、清水戦はボールを支配される展開が予想されるため、カウンターという強みを生かしやすい側面もある。プレスライン、奪いどころをどこに設定するか、球際とハードワークの強度を90分維持できるかに注目したい。
初めていわぎんスタジアムのピッチを踏む清水は、リーグ前節の大分戦を“ウノゼロ”で勝利。試合が行われた7月4日のクラブバースデーを会心の勝利で飾った。6月の公式戦はJリーグYBCルヴァンカップで鹿島に連敗したが、それ以降は負けなし。天皇杯2回戦では福山シティFC相手に後半アディショナルタイムの決勝ゴールで辛勝。続くリーグ戦では直近3試合で勝点7を奪い、J2降格圏と勝点6差の13位まで順位を上げた。
注目選手はブラジル国籍の両エースだ。岩手のブレンネルの圧倒的なフィジカルが、上位カテゴリーのチーム相手でも武器になることは仙台戦で証明済み。6月に入ってからは得点に絡む場面も増え、仙台戦のアシストだけでなく、リーグ戦ではここまで4ゴール4アシストを記録。チームに不可欠な存在になりつつある。攻撃の基準点を作り、いかにゴールに直結する仕事ができるかが勝利のカギとなる。清水のエースはチアゴ サンタナ。リーグ戦ではここまで7ゴールを記録し、チームトップだ。今季新加入の助っ人は、高精度の左足で攻撃をリードしている。
もう1つのポイントはセットプレー。ロティーナ監督も「今季はCKでダメージを負ってきた」と話すように、清水のウィークポイントと岩手のストロングポイントが完全にかみ合っている。好調ぶりが目立つ中村 太亮の左足にかかる期待も大きい。
岩手は中3日、清水は中2日で迎える対決。秋田監督が「メンバーを替えることは考えていない」と明言する一方、清水はどんな人選、布陣で臨むのか。監督のマネジメント、試合を動かす采配にも注目だ。
[ 文:髙橋 拓磨 ]