勝つことで、より頂点への道筋を明確にしていきたい天皇杯ラウンド16。ヨドコウ桜スタジアムでは、C大阪と鳥栖がぶつかる。
C大阪は2回戦・鳥取戦を2-0、3回戦では新潟に3-2と、いずれも下位カテゴリーを相手に勝利し、ラウンド16にコマを進めた。鳥栖は2回戦で熊本、3回戦では福岡と対戦し、それぞれ1-0で勝利。福岡戦は90+1分に決勝点が生まれるギリギリの戦いだった。両チームは今季すでに二度対戦しており、C大阪の1勝1分という結果が残っている。前回対戦は鳥栖のホームで行われた明治安田J1第22節。3-3という壮絶な打ち合いも記憶に新しい。
ともに直近のリーグ戦では悔しい思いを味わった。福岡とのアウェイ戦に臨んだC大阪は、1-1で迎えた90+6分に決勝点を献上。劇的な幕切れで勝点を失う残酷な結果に肩を落とした。「この負けは精神的にキツい」とレヴィー クルピ監督も率直な胸の内を明かしたが、下を向いている暇はない。試合がすぐにやってくることをプラスに捉え、顔を上げて臨みたい。福岡戦から中2日、さらに中2日でリーグ次節も控えていることを踏まえると、先発を大幅に入れ替えることも考えられる。試合に飢えている選手は多くいるだけに、チームの総合力を示したいところだ。
一方、鳥栖は直近のリーグ戦で浦和と対戦し、C大阪と同様に1-2で敗戦。内容的には相手を上回る部分も出せていたが、終盤にPKを与え、決勝点を奪われた。「僕のゲームプランニングがもう少し長けていれば勝ちを引っ張ってこられたんじゃないかなと思います」と反省の弁を述べた金 明輝監督だが、「選手たちは90分を通してしっかりとプレーしてくれたと思いますし、勝ちに値するゲームをしてくれたと思います」と前向きにも捉えている。今夏に林 大地と松岡 大起が移籍で抜けたが、浦和戦では白崎 凌兵、小泉 慶、岩崎 悠人と新戦力もピッチに立ち、新たなチーム構築が進められている。今回の天皇杯に関してはC大阪と同様、リーグ戦に挟まれた日程だけに、どのようなメンバーで挑むか注目される。
現在、リーグ戦では鳥栖が4位でC大阪が13位。チームとしてうまく戦っているのが、鳥栖であることは明白だ。ただ、一発勝負のトーナメントではメンバー構成も含めて不透明な部分も多いだけに、どちらに転ぶか予測不可能だ。
総力戦となりそうなこの試合。互いにチャンスをもらった選手たちの奮起に期待がかかる一戦は、リーグ戦につながる好材料を見いだすと同時に、勝ってベスト8進出を果たしたいシビアな試合でもある。より多くの収穫を手にするのはどちらか。
[ 文:小田 尚史 ]