リーグ戦の順位では、16位の湘南を14位のG大阪が上回るが、チーム状況はどん底と言っても良い状況だ。18日のJ1第29節・鹿島戦は1-3で完敗を喫し、今季のチームワーストタイとなるリーグ戦4連敗に。「簡単な失点というのが非常に多いので、切り替えだとか、戻りながらの守備というところで少し対応が良くない」と松波 正信監督が振り返ったように、公式戦では3試合連続で3失点以上を喫し、守備の崩壊が続いている。
攻撃陣も不発が続く中、追い討ちをかけるように、レアンドロ ペレイラと小野 裕二がいずれも右ハムストリング肉離れで戦線を離脱。鹿島戦をコンディションの問題で回避した昌子 源も万全とはいえない状況だ。しかし、今季はタイトル奪還を目標に掲げているだけに、松波監督は「天皇杯も残っているし、タイトルは可能性がある以上、狙いにいきたい」と意気込みを口にしている。
今回の一戦は4日後に控えたJ1第30節・柏戦もにらんだ、難しいメンバー構成を強いられることになりそうだ。公式戦15連戦を戦っていた当時は、試合のたびにフォーメーションや顔ぶれを変えて乗り切ってきた松波監督だが、相次ぐ負傷者という逆風の中で、いかなるメンバーを送り出すのかが焦点になりそうだ。鹿島戦で70分からピッチに立ったチアゴ アウベスや宇佐美 貴史ら、比較的フレッシュな状態の選手を軸に勝ち切りたい。
一方の湘南も、4日後にJ1首位を走る川崎Fとのリーグ戦が控えている。下位に沈んでいるが、チーム状態は上向き気味だ。山口 智監督の就任初戦となったJ1第28節・大分戦は0-2で敗れたものの、第29節は福岡相手に後半アディショナルタイムに同点ゴールを奪い、貴重な勝点1をつかみ取った。
「勝点に対する執念を見せられたと思う。次につなげないといけない試合」と山口監督は監督として初めてつかんだ勝点をこう振り返ったが、次に目指すのは指揮官としての初勝利である。
山口監督にとって、出来過ぎな舞台も整っている。昨季までコーチとしてピッチサイドに立ったパナソニック スタジアム 吹田に、敵将として乗り込んでくる新指揮官だが、現役時代はG大阪でキャプテンとして黄金期を支えたレジェンドの1人。G大阪サポーターからも大きな拍手で迎えられるであろう山口監督は、現在のG大阪を知り尽くしているだけに、綿密なスカウティングとともに選手を送り出すはずだ。
6月2日に湘南のホームで行われたJ1第19節ではスコアレスドローに終わっているものの、当時とはチーム状況、率いる指揮官にも変化があるだけに、あくまでも“参考記録”。
昨年度の準優勝チームであるG大阪が意地を見せるのか、湘南が山口監督の就任初勝利を手にするのか――。現役時代にはチームメートでもあった両指揮官の頭脳戦も楽しみな一戦だ。
[ 文:下薗 昌記 ]
