「難しい戦いになると思っている。どういう相手ということではなくて、自分たちが目指すものを体現していく、チャンスに変えていかないといけないゲーム。一番は、気持ちのところ。いつも言っているが、スポーツは勝つときもあれば負けることもある。連敗したことに向き合う必要があると思うが、ここでは切り替えてやっていくことが必要かなと思う」 鬼木 達監督はアマチュアチームとの対戦に警戒しつつ、気持ちの切り替えを強調している。「結果を残すことが一番重要」。その思いは皆に共有された。
出場機会の少なかった選手の奮闘にも期待したいところだが、指揮官は若手選手のギラギラ感に物足りなさを感じているような発言もしている。つまり、この札幌大戦で起用された選手は、気持ちや姿勢を評価されたプレーヤーと見ることもできるだろう。状態を上げてきたチャナティップらの復帰なるかという点も含めて、どんな面々がピッチに立つのかも楽しみだ。
札幌大は、2年ぶり25回目の天皇杯出場。前回出場した2020年は1回戦でラインメール青森に1-2で敗れている。今大会の北海道予選決勝では、北海道リーグ5連覇中の北海道十勝スカイアースを河合 駿樹の決勝点で1-0と退け、天皇杯1回戦でも山梨学院大PEGASUSを相手に1-0。札幌U-18出身で背番号9を背負う小笠原 大将が、5本放ったシュートのうちの1本を決めた。勝負強くここまで勝ち上がり、目標に掲げていた川崎Fとの対戦までこぎつけている。
札幌大は今年で創立55周年、そしてサッカー部も創部55周年。1978年大会ではベスト8まで進出したように歴史あるチームであり、この記念の年の躍進をうかがっている。部員は4月時点で96名。地元・北海道出身が多く、また河端 和哉監督の出身校でもある青森山田高出身者もいる。指揮官は札幌大OBでもあり、札幌や熊本、北九州、長崎、琉球でのプレー経験があるDFだ。
1回戦で相手に倍のシュートを放たれながらも無失点で終えたように、粘り強い守備もできるチーム。背番号10を背負う主将の山内 陸を中心に、一体となってJ1王者に立ち向かっていく。
舞台は等々力陸上競技場。前回大会で長野や千葉に苦戦を強いられていただけに、前述のとおり川崎Fも気持ちを持って試合に臨むはず。大学生にとっては夢のある対戦と言えるし、失うものはないといったアグレッシブな姿勢で川崎Fと対峙するだろう。天皇杯ならではのこの対戦、どんな光景が見られるか。
[ 文:田中 直希 ]


