川崎Fの前身である富士通サッカー部でプレーしていた東京Vの城福 浩監督は、「まったく関与していないクラブに比べれば、(相手への思いは)はるかにある。でもいまは、とにかくこの緑のチームをどう躍動させるかということしか考えていない」と話した。その城福監督が指揮を執り始めたのが今月15日。わずか1週間でこの一戦を迎えることになる。
東京Vは今季の明治安田J2で得点数が2位タイと、攻撃力を武器にしているチームだ。その良さは城福監督体制になっても不変。得意のパスワークからゴールをうかがっていく。ただ、失点数がリーグワースト3位と多いことで結果が出ず、堀 孝史前監督退任につながっている。城福監督は守備面の整備を行い、リーグ前節・山口戦は相手に退場者が出たものの3-0。リーグ戦8試合ぶりの勝利をつかんでこの一戦に臨む。
その山口戦から中3日。「全部入れ替えるということはしないが、われわれのサッカーは相当高いインテンシティーを求めている。コンディションのところも多少加味して考える」とメンバー選考について城福監督は明かしている。それでも、「目の前の試合に勝ちにいくことは変わらない」(同監督)。J2では圧巻の突破力を見せている緑の10番・新井 瑞希が「ドリブルは通用している実感がある。レベルの高い選手と公式戦で当たることができる。本気の相手と対したときにどれだけできるか。そこで勝負したい」と話したように、各選手がモチベーション高くJ1王者に立ち向かうことになる。
川崎Fも、リーグ戦3戦未勝利かつ連敗中という悪い流れをリーグ前節の札幌戦で払しょくした。大量5得点。今季のリーグ戦で3ゴール以上をマークするのは初めてのことで、大島 僚太やチャナティップの復帰も相まって“攻撃のフロンターレ”が復活している印象だ。
鬼木 達監督は「タイトルの懸かっている重要なゲーム。札幌戦で手ごたえをつかんでいるので、それを高めていきたい」と話した。川崎Fも中3日での連戦だが、この試合を終えると中2日でリーグ戦が控える。「当然、コンディション面は考えながら。競争になる1つのゲームになればいい」。そう述べた指揮官は、昨季広島を率いて川崎Fに無敗だった城福監督について、「守備をしっかり整備される。全員がやるべきことをやるという環境を作る監督さん」と印象を語り、あらためてゴールに向かう回数を増やしたいとしている。
リーグ前節でベンチスタートだったレアンドロ ダミアン、マルシーニョ、ジョアン シミッチ、そして小林 悠といった選手も腕まくりで準備を進めているだろう。それは天皇杯2回戦で出場した松井 蓮之や永長 鷹虎といった出場機会が限られている選手もそう。
誰が出場するにせよ、アグレッシブな攻守を志向する両者のぶつかり合いはタフで見どころの多い試合になりそうだ。
[ 文:田中 直希 ]


