ペトロヴィッチ監督が率いるチームとしては広島の監督時代もお互いに敬意を払い合い、良い戦いをしてきた記憶があり、甲府のファン・サポーターは素晴らしい監督を再び山梨に迎えられることを喜んでいると想像する。
札幌は現在、明治安田J1で11位。前後とは勝点差が詰まっているので上位進出も下位に落ちることも両方の可能性があるが、ここ最近は失点の多さが気になる。
天皇杯2回戦では桐蔭横浜大との打ち合いを4-3で制し、直近のJ1第17節では川崎Fと2-5と打ち合っている。甲府の吉田 達磨監督は「やることがハッキリしていると思う。それで負けなら納得がいくと思うし、選手もそれをやめようとは思っていないのではないか。川崎F相手に2点を取るチームだから5点取られる」と、札幌はバランスを崩してでも攻める攻撃的な姿勢を変えないと見ている。
甲府は現在J2で10位。リーグ前半戦は思ったように勝点を積み上げることができていない。後半戦最初の試合となったJ2第22節では、山形を1-0で下し、リーグ戦では8試合ぶりの勝利。この流れを札幌戦につなげたいが、アウェイでの山形戦、この天皇杯3回戦を挟んで、リーグ次節はアウェイ・山口戦と、移動の負担が多い。そのため、吉田監督はメンバー選考について、「まだ決めていません。アウェイ、アウェイのコンディション、(悩むのは)そこだけ。コーチングスタッフで話し合って決めたいが、挑戦する試合になることだけは間違いない。意欲的に臨みたい」と悩んでいた。
先週末の山形戦に出場した何人かの若手に話を聞くと「札幌戦、出たいです」と目を輝かせており、吉田監督がコンディション面をどうマネジメントするのかが注目点。中3日なのでリーグ戦のメンバーで臨むことも可能だが、移動の距離と時間を考えると判断が難しい。札幌に挑んで、勝利できれば中3日のアウェイ・山口戦に勢いを持って臨むことができるし、札幌に挑みたいという選手の気持ちを引き出せば悪い試合にはならないという自負もある。
大卒3年以内の選手が多い甲府。2年目の長谷川 元希はリーグ前節で公式戦14試合ぶりのゴールを決めて、チームを勝たせたエースだが、「札幌戦、出たいです。J1を倒したい。俺にはまだ大学生の血が流れてますよ」とジャイアントキリングに燃える大学生のような眼をして話をしてくれた。格上の札幌はもう少し冷静にこの試合を迎えるだろうが、J2降格後5シーズン目の甲府はJ1との戦いに飢えており、スタジアムには多くのファン・サポーターが駆けつけて熱い試合を盛り上げてくれることになりそうだ。
[ 文:マツオ ジュン ]
