3週間前に行われた3回戦で、FC東京は明治安田J2で昇格争いを繰り広げている東京Vと12年ぶりの“東京ダービー”を戦った。立ち上がりから主導権を握り、20分に塚川 孝輝のミドルシュートで先制に成功。しかし、その後のチャンスを生かせずに折り返すと、セットプレーから追いつかれて延長戦へ。延長戦でも決着がつかずにもつれ込んだPK戦も、お互いに8人目まで成功する接戦となったが、9人目の東 慶悟が決めたのに対して東京Vの9人目が外して、ラウンド16にコマを進めた。
中断期間に入っているJ1では、7勝5分9敗の勝点26で12位。リーグ戦直近2試合は未勝利だが、再開初戦となるJ1第22節・C大阪戦から良い流れで戦っていくためにも、ここで1つ結果を出しておきたいところ。
この夏の移籍ウインドーでは、複数のアウトとインが発表されている。登録手続きの関係なども考慮すると新戦力がこの試合で起用される可能性は低く、むしろリーグ戦中断前に離脱していて復帰した選手や、リーグ後半戦に向けて期待される既存選手たちのパフォーマンスを図る意味合いもあるだろうか。
3回戦のあと、「経験上、カップ戦では何が起こるか分からないので、すべてに対して準備をしなければいけない」と話したピーター クラモフスキー監督は昨季、山形の監督としてJ1参入プレーオフを含めて熊本とは三度対戦している。したがって、その特徴やスタイルを踏まえた対策はすでに用意していると思われ、どんなメンバー構成になるか、どんなプランでゲームに臨むかが注目される。
熊本は、2回戦でJ3の琉球をPK戦の末に下し、3回戦ではJ1の鳥栖と対戦。前半に2点先行される展開となったが、後半に入って松岡 瑠夢が連続得点を挙げて追いつくと、その後再びリードを許したものの、途中出場した17歳の道脇 豊がプロ初得点となる同点ゴールを決めて延長戦に突入。迎えた延長前半、再び道脇が得点を決め、逆転で11年ぶりのラウンド16進出を決めた。
前回ラウンド16進出を果たした2012年度大会では名古屋に2-5で敗れており、今回はベスト8への二度目のチャレンジとなる。
リーグ戦では後期に入って7戦未勝利と苦しい状況が続いているが、再びJ1チームを撃破できれば、現状を打開する小さくないきっかけになることは確か。
「育ててもらい、プロになって、プロの厳しさを教えてもらったクラブ。あまり試合に出ることができなかったのでアカデミー時代の思い出のほうが強いが、自分の成長した姿を見せて、自分が勝利に貢献できるようなプレーをして、目に見える結果を求めたい」と、昨夏にFC東京から加入し、今季は志願して主将となった平川 怜は、古巣戦に向けた決意を口にする。
両チームが公式戦で戦うのは、ともにJ2を戦いの場としていた2011年以来12年ぶり。FC東京がJ1の意地を見せるか、それとも熊本が3回戦に続いてJ1の壁を破って初のベスト8進出を決めるか。最後まで目が離せない一戦だ。
[ 文:井芹 貴志 ]


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