富山はリーグ序盤戦で足踏みしたが、先週末のJ3第14節・FC大阪戦で今季初の2連勝を飾って上位勢を視界に捉えた。先の神戸戦でも大金星を挙げ、チーム状態がハッキリと上向いている。ルヴァンカップと天皇杯富山県予選を含めたスケジュールの中で数多くの選手が出場し、成功体験を重ねて自信をつけた。戦力が厚くなると同時に底上げされている。今後もカップ戦を有効に活用しながらチーム力を上げ、悲願のJ2昇格を引き寄せたい。
FC大阪戦では後半途中からルーキー4人がそろってピッチに立つ時間もあり、西矢 慎平のクロスから髙橋 馨希が今季初得点を挙げるなど全員が活躍した。碓井 聖生はリーグ戦でチームトップの4得点を挙げ、瀬良 俊太も先発出場で2連勝に貢献。神戸戦の同点ゴールも、碓井と髙橋を狙った西矢のクロスが相手のオウンゴールにつながっている。彼らを引き立てている34歳の河井 陽介、32歳の椎名 伸志の働きも見逃せない。河井は「彼らはギラついているし、試合に飢えている。あの躍動感はルーキーならではのもので、うらやましく思うほど。この勢いで何も恐れずに続けてほしい。僕らベテランが導いてあげられたら良い」と話している。
神戸戦から中3日の今回はターンオーバーが予想され、スタメンはリーグ前節のメンバーが中心になるとみられる。同じ顔ぶれで12日の天皇杯富山県予選決勝・富山新庄クラブ戦を2-0で制しており、チャレンジされる立場の難しさを経験済みなのもプラスだ。接戦になっても勝ち進み、神戸サイドも望んでいるであろう再戦を実現させたい。
関西大サッカー部は1921年(大正10年)創部の伝統を誇り、天皇杯では関大クラブとして出場した1949年度の第29回大会で準優勝している。部員は女子も含めて200人近い。今季においては、J3ですでに5得点をマークしている奈良の百田 真登ら6人がJリーガーになった。選手時代にG大阪などで活躍した前田 雅文監督が2016年から指揮を執っている。
天皇杯は3年連続19回目の出場。予選を兼ねた大阪サッカー選手権大会の決勝で2022、23年はFC大阪を破り、今年は桃山学院大との学生対決を2-1で制した。準決勝でもJFLで現在2位のFCティアモ枚方を3-2で倒しているように、実力はアマチュアトップクラスだ。過去2年はいずれも関西リーグ1部所属のアルテリーヴォ和歌山を初戦で下し、2回戦でJ1勢に挑んだ。2022年はC大阪に1-3、昨年は浦和に延長戦の末に0-1で敗れている。昨年の浦和戦に先発した選手が5人も残っており、今回も臆することはないだろう。
全国から集まった精鋭ぞろいだけに個々の技術力が高く、丁寧なパスワークから一気にスピードアップしてゴールを陥れる攻撃は迫力十分。FCティアモ枚方戦では50~53分に右サイドハーフ・川島 功奨(京都U-18出身)のミドルシュートやMF村井 天(飯塚高出身)を軸とする鮮やかなコンビネーションであっという間に3得点を奪取している。川島は決勝でも同点ゴールを挙げた。4月29日に2026年の磐田加入内定が発表された身長181cmの左SB吉村 瑠晟(神戸弘陵学園高出身)のプレーも楽しみだ。
[ 文:赤壁 逸朗 ]