今季から指揮を執る林 健太郎監督は、最終ラインからパスをつないで相手ゴールを目指すスタイルを志向。開幕当初と比較すれば良い形は増えているものの、決定機でのフィニッシュ精度の低さで勝点につながらない試合が多い。
FCバレイン下関は、中国リーグ第4節を終えて2勝2敗の6位(全10チーム)。12日には全国社会人サッカー選手権大会中国予選会の代表決定戦で敗れており、公式戦連敗の流れを変えるべく、2006年の創設以来、公式戦初のJクラブとの対戦でジャイアントキリングを狙う。
就任2年目の山根 一真監督は「攻守にアグレッシブなフットボールを目指している」と語る。追求しているのは、丁寧なビルドアップでボールを動かしながら相手陣を攻略し、守備時は前線から積極的にボールを奪いにいくスタイルだ。
攻撃のキーマンは野見山 楽斗。積極的に相手ゴールに向かう動きやスルーパスで違いを見せ、前述の代表決定戦まで公式戦6試合連続得点を記録するなど得点力も高い。山口などJクラブでのプレー経験を持つ岸田 和人も得点源で、ゴール前での鋭い嗅覚に加え、献身的なプレーも持ち味。空中戦の強さが武器の半田 勘太朗が守備の中心で、ビルドアップの起点として攻撃でも貢献する。
カテゴリーが2つ上で挑戦を受ける構図の鳥取だが、天皇杯では2年続けてジャイアントキリングを許している。昨年度の1回戦ではJFLのヴィアティン三重と対戦し、0-2で敗戦。一昨年度の1回戦ではJFLのヴェルスパ大分に0-4の惨敗を喫した。
今年度の天皇杯鳥取県予選決勝では、FCバレイン下関と同じ中国リーグ所属のYonago Genki SCと対戦。13分までに2-0とするも、どちらも自陣でのパスミスから前半のうちに2失点して追いつかれた。71分に勝ち越し点を挙げて勝利したものの、今回も自陣でミスが出れば、失点や苦戦につながりかねない。
逆にFCバレイン下関は、そうしたミスを誘発できるか、つかんだチャンスを決められるかが勝利へのカギ。天皇杯は今回が2年連続4回目の出場だが、過去3回はすべて初戦敗退。山根監督は「今後のリーグ戦につなげるためにも、今季の目標である天皇杯1回戦突破を実現したい」と意気込んでいる。
視点を変えると、両クラブはつながりのある選手・スタッフが多い。山根監督は鳥取県出身で、中学時代にプレーしていたFCカミノでは、4学年下ながら小学6年生で練習に参加していた鳥取の世瀬 啓人と一緒にプレーしていた。
鳥取の小谷野 拓夢ヘッドコーチが福山シティFCの監督時代、2021年から2年間コーチを務めたのが山根監督で、当時は鳥取の曽我 大地が在籍。今季就任した鳥取の倉田 翔真テクニカルコーチは、昨季はFCバレイン下関で山根監督をコーチとして支えていた。お互いをよく知る両者の探り合いも勝敗を左右するかもしれない。
[ 文:石倉 利英 ]
