鹿島は目下、好調を維持する。JリーグYBCルヴァンカップこそ1stラウンド3回戦・町田戦に0-2で敗れたものの、リーグ戦では8試合負けなしの7勝1分と、4月末から6月初めまで一気に駆け抜けた。メンバーを固定気味に戦うことで選手同士の連係・連動は増し、互いに意思疎通を図りながら“戦う質”も向上させてきた。6月1日に行われたリーグ前節では横浜FMと伝統の一戦を戦い、前半に先制されるも後半に3点を奪って3-2の逆転勝利を収めた。5日には順天堂大と45分×3本の練習試合を行い、リーグ戦とは違うメンバーを試しながら4-1で勝利。定まりつつあるチームの形をさらに広げ、戦い方の枠組みを増やす段階を迎えようとしている。そこで迎える天皇杯2回戦もおそらくメンバーを替えながら戦うことになるだろう。柴崎 岳やチャヴリッチなどサブに回っている実力者たちをどう組み込んでいくかが注目される。
対する奈良は現在、J3で14位に位置している。4勝7分5敗、20得点22失点という成績を残している。天皇杯1回戦では京都産業大と対戦し、2点を先行される苦しい展開から前半のうちに西田 恵が1点を返す。後半の立ち上がりにオウンゴールで追いつくと、アディショナルタイムに右CKに鈴木 大誠が頭を合わせて、劇的な逆転勝利を収めた。鹿島としては、2回戦にコマを進めてきた勢いは侮れない。奈良はその試合と天皇杯奈良県予選決勝を含めて公式戦ここ5試合は4勝1分と成績が安定している。リーグ序盤は勝ち切れない試合が続いていたが、リーグ前節は相模原に押し込まれる時間が続く中、セットプレーと速攻から2点を奪い、勝利を手にした。チャレンジャーとして鹿島に思い切ってぶつかることができるだろう。
奈良は連戦中であるため、コンディション面で難しさがあるかもしれないが、試合勘は研ぎ澄まされている。より難しいのは中10日と試合間隔が空いた鹿島のほうかもしれない。久しぶりの公式戦で開始からハイテンションで戦う難しさは、鹿島の選手たちも逆の立場を経験しているだけによく分かっていることだろう。中2日で戦ったアウェイでのJ1第9戦・鳥栖戦では力を発揮できず、2-4で敗れた。その経験を生かして、同じく中2日で臨んだアウェイでのJ1第14戦・広島戦は中8日の相手を立ち上がりから圧倒し、3-1で白星をゲット。今度は逆の立場になるが、その2つの経験をうまく生かしたい。
この試合の勝者は、7月10日に予定されている3回戦にコマを進めることになる。対戦相手は藤枝対栃木の勝者である。
[ 文:田中 滋 ]

