リーグ戦では開幕から苦しい戦いが続いている鳥栖だが、5月に入ってJ1第13節・磐田戦、第14節・川崎F戦で今季初の連勝。ここから勢いに乗るかと思われたが、第15節・名古屋戦で敗れると、続くJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦・FC東京戦ではPK戦の末に敗退。その9日後に“再戦”となったJ1第17節・FC東京戦でも敗れてしまい、再び苦境へと押し戻されてしまった。
対する高知ユナイテッドSCは今大会1回戦で島根県代表のベルガロッソいわみと対戦。前半に東家 聡樹のゴールで先制すると、そのリードをしっかりと保ったまま逃げ切りに成功。前回大会と同カードの1回戦を制し、2回戦進出を決めている。
所属するJFLでは現在、2位に勝点5差をつけて首位を快走。開幕から7連勝を記録する好スタートを切ったが、第8節・ヴェルスパ大分戦で今季初黒星を喫すると、続く第9節・レイラック滋賀戦にも敗れて連敗。それでも、天皇杯1回戦の勝利で息を吹き返すと、JFL第10節、FCティアモ枚方との上位対決ではGK大杉 啓のロングフィードから東家を経由し、新谷 聖基が先制点。ソリッドな攻めで得点を奪うと、以降のFCティアモ枚方の猛攻を気迫の守備でシャットアウト。リーグ戦の連敗をストップする勝利を挙げた。
さらに直近の公式戦となるJFL第11節・ミネベアミツミFC戦では二度先行される苦しい試合展開ながら、88分に佐々木 敦河がゴール前に送ったボールを攻め上がっていたDFの田辺 陽太が折り返すと、上月 翔聖が押し込んで同点。さらに90+1分には、上月がゴール前に入れたボールを吉田 知樹が頭で落とす。GKに処理させようと相手DFが体を入れた背後から懸命に足を伸ばした小林 心が、GKより先にボールに触れると、そのままゴールに吸い込まれた。土壇場での連続ゴールによって劇的な勝利を挙げた高知ユナイテッドSCは、勢いを持って駅前不動産スタジアムへと乗り込むことになった。
公式戦で3試合勝利から遠ざかり、週末のリーグ戦では福岡とのダービーマッチが控える鳥栖にとっては、勝利を収めて流れを変えたい一戦。JFL首位の高知ユナイテッドSCは、前回大会では2回戦でG大阪、3回戦で横浜FCとJ1クラブを“連破”した経験を持つだけに、難敵であることは間違いない。川井 健太監督も「相手チームに勝つためにフットボールをすること。相手チームの名前を見るのではなく、そういう考えは捨てて、目の前の相手に勝つために試合をするというのは1つ大事なところ」と、カテゴリーという肩書きを排除した状態で試合に臨むことを選手たちに求めている。
両チームのスタイルを考慮すれば、鳥栖がボールを保持しながらゴールに迫り、高知ユナイテッドSCは耐えながらソリッドな一撃を狙うという展開になる可能性が高いだろう。鳥栖が流れを変える勝利をつかむのか、それとも高知ユナイテッドSCが2年連続のジャイアントキリング達成か。
[ 文:杉山 文宣 ]
