ホームの清水は今季、J2の序盤戦から上位争いをリード。4月7日に行われた第9節・甲府戦(1○0)から、5月11日に開催された第15節・鹿児島戦(4○0)まで、怒とうの7連勝を達成するなど、前半戦の19試合を終えた時点で14勝1分4敗の成績を収め、勝点43を積み上げて首位を走っている。
だが、今季よりJ1からJ3までのJリーグ全60クラブが参加し、全試合ノックアウト形式の“一発勝負”に変更されたJリーグYBCルヴァンカップでは、1stラウンド2回戦でJ3の富山に敗北。PK戦までもつれ込む激闘の末、初戦で姿を消しており、今季カップ戦では勝てていない。
そんな清水にとって、天皇杯は“リベンジ”を期する良い機会だ。チームを率いる秋葉 忠宏監督は、J2優勝ではなく、J1で上位争いを繰り広げられるチームとなることを目標として掲げている。この大会を勝ち進むことで、J1のチームと対戦する機会を得られれば、チームの現在地を測ることもできるだろう。キャプテンの北川 航也は「勝ち上がっていくことができれば、J1のチームともやれるし、いまの自分たちの力も見せられる」と語っているが、クラブとして“新しい景色”を見るためにも、今大会に懸けるモチベーションは高い。
「天皇杯で優勝すればACL(※AFCチャンピオンズリーグエリート)に出られる。もちろん自分は出たいし、権田 修一選手も常々、『このタイトルを取らないと来年のACLには出られない』と言っています。そこをチーム全員がどれだけ本気で目指せるかが大事。非常に大事な戦いになると思います」(北川) メンバーはリーグ戦からターンオーバーすることも予想されるが、秋葉監督は「いつ試合に出てもいいように準備をしてくれている選手ばかり。監督としてはうれしい反面、悩ましいです」とチームの“総力”に胸を張る。リーグ戦になかなか絡めていない選手たちがこの試合でアピールに成功すれば、チームの競争はより激化され、リーグ戦にも良い影響が及ぼされるはずだ。
一方で、三菱重工長崎SCは、天皇杯本戦の県代表を決める長崎県サッカー選手権大会で2連覇を達成。決勝では井原 京佑がPKで挙げたゴールを守り切る形で、鎮西学院大相手に社会人チームとしてのプライドを見せつけた。5月25日に行われた1回戦では、熊本県代表の東海大熊本相手に4-0とゴールラッシュ。2008年大会以来となる天皇杯での勝利をつかみ、勢いに乗ってアイスタに乗り込む。
Jクラブとしての誇りを見せつけたい清水と、ジャイアントキリング達成へ闘志を燃やす三菱重工長崎SC。3回戦への切符をつかむのはどちらのチームとなるだろうか。
[ 文:榊原 拓海 ]

