復帰が近く、昨年9月の明治安田J1第26節・鹿島戦を最後に本拠地・レモンガススタジアム平塚でプレーしていないため、水曜日の天皇杯2回戦・甲南大戦へ向けて闘志を静かに燃やしている。
リハビリ期間中は普段よりサッカーの映像を見たりピラティスを取り入れたりと、いろいろなことも始めた。そのうちの1つで、動体視力を鍛えるトレーニングも行ったという。
「どっちが効き目かを調べて、使えていないほうの目をトレーニングして鍛えることでボールの回転がよく見えるようになったりとか、空間認知が良くなるという効果があるんです」と舘は言う。
自宅でもトレーニング用の大きめの眼鏡をつけて食事や読書をして、少しでも効果が上がるように努めた。奥さんからは「似合わないね」と笑われていたそうだが、「そういうものじゃないから(笑)」と日常的に着用していた。
「ボールを追いながらも、周りが見えてくるようになればいいし、ボールを扱うにしても周辺視野をもっと広げられればいいだろうと思って取り入れてみたので、なにか変わったところをピッチでは見せたいですね」と意気込みを語っている。
守備の要かつキャプテンのキム ミンテが右第4足趾、基節骨骨折の負傷で戦線を離脱している。この窮地の中で、舘が完全復活を印象づけるパフォーマンスを発揮することができれば、湘南にとってポジティブな要素となる。
そして、同じくCBで期待がかかるのが大卒ルーキーの髙橋 直也だ。昨年度の天皇杯では関西大の選手として浦和と2回戦で対戦した経験を持つが、今回は大学生チームを迎えるという逆の立場になる。「勢いに乗せてしまうととても走ってくるし、球際でも戦ってくる。ファーストプレーから相手に圧を与えて、勢いに乗ってこられる前から抑えたい」と大学生チームへの対抗策を語る。
髙橋は甲南大とトレーニングマッチなどでよく対戦したこともあり、キャプテンの當麻 颯はG大阪ユースの1つ下の後輩という間柄。持ち味の攻撃参加などを発揮し、プロとしての威厳を見せるとともに自身のアピールにもつなげられるか。
ただ、甲南大は1回戦でJ3の金沢と戦い、120分を1-1で終えて突入したPK戦を4-3で制している。そして、この2回戦に勝ち上がっている。侮れない相手だ。
同点ゴールを決めた清水 健生が「高校で一緒だった鈴木 章斗選手がいるので、僕自身はそこを1つの目標にしていた。対戦できるというのはすごく楽しみ」と言えば、GKの板敷 洸大は「本当にぶつかるだけで、あわよくばジャイキリを起こしたい。僕が止められれば失点することはないので、シュートを止めまくりたい」と思い切り立ち向かおうとしている。
「歴史を変えよう」と今大会に臨み、史上初めて2回戦進出を果たした甲南大は、歴史をさらに塗り替えられるだろうか。
[ 文:舞野 隼大 ]
