公式戦はどんな試合でも勝利したいと考えるのは当然のことだが、両者にとってこの試合での勝利は天皇杯でラウンド16に進出するという事実以上の意味を持つことになるのかもしれない。
FC東京は2回戦で三重県代表のヴィアティン三重に3-0と勝利を収めて順当に勝ち上がり。その後のリーグ戦3試合でも2勝1分と好調だったが、その後前々節で福岡に、前節で柏に敗れ、今季初のリーグ連敗を喫している。勝利していれば上位戦線に食い込むチャンスもあっただけに、チームとして痛い連敗だった。その状況を打破するためにも、結果がすべてであるトーナメント方式の天皇杯で下のカテゴリーである千葉をしっかりと叩きたい。
リーグ戦の間に挟まる試合であることから、先発は大幅に替わると予想されるが、直近の柏戦でベンチスタートとなったメンバーを見れば、森重 真人、長友 佑都、原川 力、松木 玖生、遠藤 渓太、荒木 遼太郎とJリーグはもちろんA代表やアンダーカテゴリーの日本代表の経験が豊富な選手がズラリ。チームの底力を見せながら、ラウンド16への切符とリーグへの勢いを手にしたい。
天皇杯の勝利をリーグ戦につなげたいというのは、千葉にとっても同じこと。リーグ前々節・鹿児島戦での勝利によってJ1昇格プレーオフ圏内の6位に浮上したが、前節はJ1昇格争いのライバルである清水に0-2で敗れた。ただの敗戦ではなく、力の差を見せつけられた完敗だったことは、7位に転落としたこと以上のダメージになったかもしれない。
ただ、そういう状況で奮起してきたのが今季の千葉だ。FC東京同様に連戦となるため、メンバーは大きく替えてくるだろう。選手層ではFC東京に劣ると言わざるを得ないが、2回戦・中京大戦はもちろん、5月6日に中2日で戦ったJ2第14節・横浜FC戦もメンバーを直近の試合から大きく入れ替えた中、先発出場した選手たちが奮起し、闘う姿勢を前面に出して勝利を挙げた。そして、その気持ちが普段リーグ戦に出場している選手たちにも伝染し、チーム状況が良くなった経験がある。
鈴木 大輔、久保庭 良太とレギュラークラスのCB2人が長期離脱している苦しい状況の中、さらにこの試合に限ってはFC東京から期限付き移籍で加入している岡庭 愁人と品田 愛斗が契約上の理由で出場できない。ただ、それは事前に分かっていたことでもある。出場できる選手たちで最大限の力を出して格上を倒すことができれば、大きな自信と勢いを手にすることができるだろう。
Jリーグ開幕前恒例の『ちばぎんカップ』が今年は柏のホームスタジアム・三協フロンテア柏スタジアムで行われたこともあり、フクアリでJ1のチームとプレーするのは今季初めてとなる。常に素晴らしい雰囲気に包まれるフクアリを千葉のファン・サポーターはもちろん、FC東京のファン・サポーターがどう彩るのか。ピッチ上だけでなく、スタンドの雰囲気や戦いもまた、この試合の大きな注目ポイントだ。
[ 文:菊地 正典 ]
