ヴェロスクロノス都農は天皇杯宮崎県予選で2回戦から勝ち上がり、決勝でカテゴリーが2つ上のJ3宮崎と対戦。前半に酒井 信磨のゴールで先制し、後半に井上 将弥が追加点を奪って2-0で勝利。前身のJ.FC MIYAZAKI時代の2015年度大会以来となる2回目の本戦出場を決めた。
今季開幕前にクラブが掲げた目標は『九州リーグ3連覇』と『JFL昇格』。2つの目標達成につなげるべく、前回は1回戦で敗れた天皇杯での初勝利を目指す。
東京V、C大阪、清水で分析兼監督通訳を務めた経験を持つ小寺 真人監督は、今季が就任4年目。ボール保持率を高めてラインを押し上げ、相手陣進入後は連係や個人技でスペースを突いて得点を目指すサッカーを磨き上げてきた。
選手を見ていくと、堅実なポストワークが持ち味の山田 雄太、スピードを生かして左サイドから突破口を切り拓く松本 幹太が前線の核。後方では優れた状況判断が光るキャプテンの松岡 憧と、力強く相手に立ちはだかり、宮崎戦では貴重な追加点も決めた井上 将弥がCBでコンビを組み、ポゼッションスタイルの起点ともなる。
鳥取は鳥取県予選決勝から出場。中国リーグ所属のYonago Genki SCを4-0で下し、5年連続27回目の本戦出場を決めた。明治安田J3では第13節終了時点で最下位と苦戦が続いているため、浮上のきっかけをつかみたい一戦となる。
就任2年目の林 健太郎監督は昨季からボール保持を戦術の軸に据え、相手を見ながら的確にボールを動かして攻め込んでいくスタイルを志向。昨季のJ3・38試合でリーグワースト2位の65失点を喫した守備の改善と、得点力の向上を目指して今季を迎えた。
守備は13試合で15失点と悪くないものの、得点はリーグワースト2位の『8』。直近2試合は、攻撃で良い形を作りながらもネットを揺らせず、後半に失点を喫して0-1で敗れるという展開が続いた。昨季チーム最多の11得点を挙げた松木 駿之介と、同2位で8得点を挙げた田中 翔太が抜けた穴が目立つ結果となっている。
ポゼッションをベースとするチーム同士の対戦となるだけに、その精度が試合展開を左右しそうだ。鳥取側から見ると、相手が激しくプレッシャーを掛けてきた際に、二階堂 正哉、温井 駿斗、普光院 誠などパスワークの軸となる選手がそれをかわして相手陣へと前進できるかがポイントの1つ。ただ、最終的にはゴールを決める選手の登場が求められる。
鳥取は2022年度大会からJFLのヴェルスパ大分、JFLのヴィアティン三重、中国リーグのFCバレイン下関と、3大会続けて1回戦で格下に敗れている流れを止められるか。ヴェロスクロノス都農は人口約1万人のホームタウン、宮崎県児湯郡都農町の盛り上がりも力に変えて、県内で行われる試合で再びジャイアントキリングを目指す。
[ 文:石倉 利英 ]


