ラインメール青森のJFL第16節終了時点の失点数はリーグ最少の『8』で、堅守を武器に激しい首位争いを展開している。第16節は横河武蔵野FCに1-0で競り勝ち、約1カ月ぶりとなる勝点3をつかみ取った。先制した試合は8勝1分と圧倒的な勝率を誇っているのも強みだ。
天皇杯1回戦でBTOP北海道を5-0で下したあと、2回戦ではJ1の横浜FMを2-0で撃破するジャイアントキリングを達成。チームが一体となって強みを発揮すれば、カテゴリーの上下は無関係であることを証明した。秋田とはトレーニングマッチで何度も対戦しており、ロングボールを主体とする縦に速い秋田のプレースタイルも認識しており、恐れることなく果敢に向かう。
選手に目を移すと、愛媛や鹿児島で活躍した有田 光希と、ベッサがJFLでそれぞれ4得点を挙げて攻撃をけん引。GKの廣末 陸は守護神でありながら、2021年の加入から5年連続得点を記録し、横浜FM戦では先制PKを決めて攻守で乗っている。PKだけでなく、CKなど土壇場のセットプレーで攻め上がってくる動きにも注目だ。
対する秋田はJ2で降格圏付近をさまよっている。この苦戦の大きな要因の1つは、リーグ最多失点を喫している守備。直近のJ2第23節は残留争いのライバルである熊本との“シックスポイントマッチ”に臨み、3-2で制した。セットプレーとカウンターから3得点を取った一方で、2失点を喫して詰め寄られるなど失点は止まらず、依然として守備面の課題は残ったまま。とはいえ、どうしても勝点3が必要だった試合で望みどおりの結果を手にしたのはチームにとって大きな収穫だ。
秋田の天皇杯初戦となった2回戦ではいわきを1-2で下した。キックオフ直後から文字どおりボールに対して襲いかかり、前線からの連動したプレスで主導権を握ると、その勢いのまま後半の立ち上がりに佐川 洸介が連続得点を挙げる。終了間際に1点を返されたものの、同カテゴリー対決で勝利を収めて3回戦に進出した。
ラインメール青森戦は秋田にとって下位カテゴリーとの対戦。秋田はこれまで、2021年度大会1回戦・北海道十勝スカイアース戦(1-1でPK戦の末に敗戦)、2019年度大会1回戦・明治大戦(0●3)など、番狂わせを許してきた経験があるだけに、気を引き締めて臨む必要がある。吉田 謙監督は「青森が横浜FMに勝ったのは偶然の産物ではなく必然。トーナメント戦においてカテゴリーはまったく関係ない。勢い。チーム力。1試合に懸ける思いがすべて」と明言し、「青森は非常に守備が堅く、全員で粘り強く、良い守備から良い攻撃をする。一瞬のスキも許されない試合になる」と厳しい姿勢を貫く。
リーグ戦で思うように出場機会を得られていない佐川 洸介や畑 潤基らには絶好のアピールの機会になる。畑 潤基は「秋田の良さは誰が出ても同じサッカーができること。相手の堅守をこじ開けるためにアイディアを出して崩したい。入りから勢いよく前進して、勝って次に進みたい」と意気込む。
[ 文:竹内 松裕 ]
