明治安田Jリーグが新シーズンに移行してから初めての天皇杯。その2回戦、Uvanceとどろきスタジアム by FujitsuではJ1川崎Fと栃木県代表のJ3栃木SCが対戦。カテゴリーを見れば2つの差があるが、毎年のようにアップセットが起こるのがこの大会の大きな醍醐味。熱い戦いが期待される。
2回戦から登場の川崎Fは大会初戦となる。過去には優勝経験があるとはいえ、どの大会も初戦独特の緊張感はつきまとうもの。一発勝負のトーナメント戦となれば、なおさらその難しさが増す部分はあるからこそ、次のラウンドに進むことにこだわって戦いたいところである。
なお、長谷部 茂利監督が就任してから初めて天皇杯を戦った前回大会では、2回戦でJ3福島との打ち合いを4-3で制したが、続く3回戦ではJ3相模原の守備を120分間通して崩せずにPK戦で敗れている。タイトル獲得を今季の目標に掲げていることを考えても、再びJ3勢と対戦する初戦に向けて、強い気持ちを持って臨むことは間違いない。
8月にシーズンが開幕して以降、リーグ戦を3試合戦い、3引き分け。まだ勝利を経験していない点はやや気になるところだが、内容は悪くなく、今季から取り組む“ボールを大事にする”スタイルをしっかりと表現できていることは近年ではあまり見られなかったポジティブな点である。
真夏の連戦となるため大幅なメンバーの入れ替えも考えられるが、GK山口 瑠伊やボランチの河原 創、トップ下の大関 友翔と各ポジションにレギュラー格の選手が控えており、新助っ人のブラジル国籍ストライカー・デリキ ラセルダの日本デビューもあるかもしれない。メンバーは替わっても自分たちのスタイルは変えずに今季公式戦初勝利をつかみ、今後の戦いにはずみをつけたい。

大幅な入れ替えも考えられる川崎F。長谷部茂利監督はどのような選択を下すか(写真は2026/27 J1第1節・東京V戦)
対して栃木SCは天皇杯栃木県予選を勝ち上がり、19日に行われた1回戦では千葉県代表でJFLに所属するブリオベッカ浦安・市川に2-0で勝利。前半終了間際に先制点を挙げると、後半に追加点を挙げ、川崎Fへの挑戦権を勝ち取った。
ミッドウィークに天皇杯1回戦を戦い、週末にもリーグ戦を消化しているだけに、すでに連戦の最中であるが、チーム全体のモチベーションは間違いなく高いはず。過去に川崎Fでコーチ経験のある米山 篤志監督と、栃木SCで10番をつける五十嵐 太陽からすれば、気持ちの高ぶる“古巣戦”であり、ひと泡吹かせたい思いは強いはず。特に川崎Fのアカデミー出身である五十嵐 太陽には魂のこもったプレーを期待したい。

U等々力にやってくる五十嵐太陽。成長を見せつけたい
[ 文:須賀 大輔 ]



