スコア上は完敗だったが、もっとやれたのではないかという悔しさの残る敗戦だった。試合後、サミュエル グスタフソンは「ベストのパフォーマンスができなかったのが残念。もし(自分たちのパフォーマンスの)最高のレベルに到達できていれば、勝つチャンスはあったと思う」と振り返り、安居 海渡も翌日、「1-3で負けたので差はあるなとは思うが、全部が全部やれなかったわけでもない。負けてもったいないくらいの感じ」と語った。獅子奮迅だったダブルボランチも消化不良感を残していた。
今回のインテル・ミラノ(イタリア)戦は少なくとも、すべてを出し切らなければならない。敗れれば3戦目を待たずしてグループステージ敗退が決定する。一方で、引き分けでも可能性は残る。安居 海渡は「目指すのはもちろん勝ちですけど、最低でも引き分け」と設定し、「この大会が続いていくことにつながれば」と少しでもこの大舞台を長く戦いたい欲を見せる。3試合目を消化試合とすることなく、できることなら4試合目以降も戦いたい。
そのためには、試合の入りが悪かったという同じ轍を踏んでいる暇はない。より個も組織も強力なインテル・ミラノを攻略するには、最初の1分からパフォーマンスを発揮し、集中を切らさず戦い抜く必要がある。大会の空気もスタジアムも、ピッチコンディションも経験した。今度こそ――。
「前回のような入りをしないためにも、自分たちから積極的にアクションを起こしていかなければいけないし、最初の数分間で『自分たちは戦えるんだぞ』ということを相手に示さないといけない。1試合終わって、こういう場にも慣れたと思うので、次こそはしっかり入っていけるようにしたい」(安居 海渡) 相手は欧州屈指の強豪。普通にぶつかれば勝機は薄いかもしれない。ただ、インテル・ミラノも万全の状態ではない。国内リーグの優勝を最後まで争い、国内カップ戦は4強に進出。欧州チャンピオンズリーグでも決勝まで上り詰め、多くの試合を戦い満身創痍でもある。遡ること2023年12月、FIFAクラブワールドカップ準決勝でマンチェスター・C(イングランド)と浦和が戦った際、欧州はシーズンの半ばで、浦和はリーグ戦も終えて燃え尽きかけていた。コンディション的にはそのときと対極にあるし、インテル・ミラノはシモーネ インザーギ監督が退任しクリスティアン キヴ新監督は就任間もない。初戦のCFモンテレイ(メキシコ)戦も勝ち切れずにドローで終えている。
番狂わせを起こせる要素はいくつもある。ただそれを成せるか成せないかも「すべては私たち自身に始まり、私たち自身にかかっている」(サミュエル グスタフソン)との言葉どおり、浦和次第である。
[ 文:沖永 雄一郎 ]