見どころを要約すると・・・ ・どちらも今季はより攻撃的なスタイルを目指す1年となる ・名古屋は堅守速攻にどのようなプラスαをもたらすか。阿部浩之がキーマンに挙げられる ・仙台は木山隆之新監督の下でスタイル構築を目指す。そのキーワードは「攻守ともに、アグレッシブに仕掛ける」だ JリーグYBCルヴァンカップの開幕から1週間、いよいよ2020年の明治安田J1も始まる。2月22日のユアテックスタジアム仙台では、仙台と名古屋が対戦。昨季は2ケタ順位でシーズンを終えた両チームが、躍進を目指して今季のスタートラインに立つ。
アウェイチームの名古屋は昨季13位。シーズン終盤にマッシモ フィッカデンティ監督が就任し、J1残留を勝ち取った。過去にはFC東京や鳥栖を指揮し、Jリーグでの実績十分な同監督は、もともと堅固な守備組織の構築に定評がある。昨季は途中就任で風間 八宏前監督が率いていたチームにそれまでと異なるスタイルを植えつける必要があったが、今季はシーズン開始から安定した組織作りを進めることができる。さらに新戦力も加え、これまでよりも攻撃側にバランスを傾けたチーム作りが進行しそうだ。
最後尾に控えるGKランゲラックや、今季もキャプテンを務める丸山 祐市ら、個人でも連係面でも手堅い守備陣は健在。その前では米本 拓司らが守備のフィルターをかけるとともに、攻撃へ素早く切り替えて素早くゴールを狙う。堅守速攻にどのようなプラスαがあって2020年モデルの戦いをするのかが、開幕戦の見どころだ。
ホームチームの仙台は昨季11位。2019シーズンまで6季にわたりチームの組織作りを進めてきた渡邉 晋監督から、J2で実績を積んできた木山 隆之監督へ指揮官が交代し、2020シーズンを迎えている。昨季はそれまで長きにわたって進めていた、多くの人数がまず攻撃的ポジションを取って主導権を握るスタイルを、一時の成績不振から守備寄りに変えなければいけなかった。この止むを得ないバランス変更からJ1残留を勝ち取ったものの、今季はまた新たな攻撃的スタイルを構築するシーズンとなる。
木山新監督は運動量とその動きの質の両面を求めたポジション取りをチームに植えつけている最中で、「攻守ともに、アグレッシブに仕掛ける」スタイルを目指している。2019年からチームに加わった道渕 諒平や松下 佳貴は、同年に戦術理解を進める中でその運動量や献身性を生かし、それぞれ持ち味(道渕は体の強さや、相手スペースに割り込む力。松下は左足からの多彩なパスなど)を発揮してきた。彼らのような戦力が今季も残留し、新しく加わった仲間たちとともに、ホームで迎える開幕戦でスタイルを披露する。
リーグ戦開幕を前にしたルヴァンカップ開幕戦では、両チームは対照的な結果に終わった。名古屋は、マテウスの見事な直接FKで得た1点を守り切って勝利。一方の仙台は、田中 渉がタイミングの良い飛び出しと左右両足の技術を見せて2得点を挙げるも、守備が落ち着かず2-5で敗れた。名古屋は勢いに乗り、仙台は修正の成果を見せ、それぞれリーグ戦での好発進を狙う。
それぞれの2020年スタイルを支える新戦力にも、注目したい。名古屋は気の利く動きと、勝負の場面で仕掛ける個人技術を併せ持つ阿部 浩之が早くも存在感を発揮している。仙台は吉野 恭平がこの試合のキーマン候補。ボランチとCBの両方でプレー可能で、鋭い寄せの守備と、味方を的確に走らせるロングパスが武器だ。
見どころいっぱいの開幕戦。観戦される方には、ぜひ両チームの2020年スタイルを味わってほしい。
[ 文:板垣 晴朗 ]