ホームの神戸は、今季すでに3つの公式戦を戦っている。元日決勝だった天皇杯を制して以降、オフや短い準備期間を経て、昨季のJ1王者・横浜FMと2月8日に埼玉スタジアム2002で対戦。さらに、初参戦となったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではジョホール、水原三星と2試合を消化している。
特筆すべきは、その3試合いずれにも勝利していること。リーグ開幕を控え、古橋 亨梧は「僕らはもう公式戦3試合を戦っている。準備期間は短かったけど、こうやって経験しているのは大きい。そのアドバンテージを生かして、僕らはホームでできるので、素晴らしい試合になる」と気持ちの高ぶりを伝えた。
その古橋が試合終了間際の90分に決勝弾を挙げた19日のACLグループG第2節・水原三星戦は圧巻だった。初めて臨んだACLアウェイゲーム。敵地の激しい声援やムードの中で前半は思うようにリズムを作り切れなかったものの、後半は本来のポゼッションスタイルをピッチで体現。アウェイ戦だけに勝点1でもポジティブなところだったが、貴重な勝点3をつかみ取っている。
アンドレス イニエスタのパスを受け、古橋へのクロスを送った酒井 高徳は「リスクマネジメントも(山口)蛍や2CBでとれていたし、自分も後ろにいた。でも時間が残っているのなら攻撃はするべきで、アンドレスが持ったらボールが出てくるし、信じて走っている。クロスのシーンも特に考えずに『人がいるだろうな』って上げた」と決勝点の背景を口に。チーム全体が一枚岩となり、無失点でしのいだ末に生まれた劇的ゴール。勝ちながら新たな経験値を上積みする、神戸は好循環の真っただ中にある。
一方、下平 隆宏監督の下、13年ぶりとなるJ1のステージで戦う横浜FC。今季は、柏時代に下平監督の下でプレーした手塚 康平、水戸から才能豊かな志知 孝明、さらに京都で17得点を挙げたストライカーの一美 和成らが加入。選手層の上積みを遂げており、いかに融合していくかが大きなテーマになっている。
16日にはJリーグYBCルヴァンカップCグループ第1節で広島と対戦。J1チャンピオンも狙う強敵相手に0-2と苦しい結果にはなったが、新たな出発点として得た経験は大きいだろう。この試合では小林 友希がCBで先発出場しているが、期限付き移籍元の神戸戦には契約上出場できない。誰を抜擢し、どんな戦術で天皇杯王者に挑むのか、指揮官のプランニングにも大きな注目が集まりそうだ。
今節は神戸のアンドレス イニエスタと横浜FC・三浦 知良のピッチでの対戦は実現するかなど、大きな話題を集めている。さらに、両チームには日本サッカーにその名を刻む名手がいれば、新進気鋭の若手も多数在籍しており、見どころは盛りだくさん。2020シーズン、リーグ戦の開幕にふさわしい、熱く、激しい90分に期待したい。
[ 文:小野 慶太 ]
