札幌は再開初戦となった前々節・横浜FC戦を2-1でモノにすると、前節は鹿島を相手に2-0の完封勝利。「勝利に値するゲームができた」とペトロヴィッチ監督は胸を張ったが、この勝点3には、2001年以来となる19年ぶりの鹿島戦勝利、そして県立カシマサッカースタジアムではクラブ史上初の勝利というオマケがついた。現在は千葉県に拠点を置いてトレーニングを続ける中で、今節がアウェイ4連戦の3試合目。依然として難しい調整を強いられるが、この上ないリスタートを切ったチームは、気分よく平塚へ向かうことができるだろう。
対する湘南は前節、王者・横浜FMと対戦した。前半をスコアレスで折り返すと、後半に見事な崩しから先制に成功。その後逆転を許したが、直後に同点に追いつくなど、チャンピオンチーム相手に一歩も引かない好ゲームを演じてみせた。最後は終盤に決勝点を喫して力尽きたものの、「われわれらしい試合ができた」と浮嶋 敏監督が評価したように、湘南らしいアグレッシブな姿勢を貫いた内容はポジティブに捉えることができる。
今季初先発を飾り、先制点を挙げるなど印象的な活躍を見せた中川 寛斗は、この一戦を「湘南のスタイルを発揮できた試合」と振り返っている。
「(直近の)仙台戦をスタンドから見ていて、湘南らしさをもう少し出せるんじゃないかなと思っていたので、それを体現しようと思って試合に入りました。今日は横浜FMさんが相手でしたけど、どのチーム相手にもこういう戦いをしていかないといけないし、このスタイルこそが湘南のスタイルだと思うので、僕らはこれを貫いていきたいと思います」 開幕戦と同様に、終了間際に決勝点を奪われてしまったのは痛恨だったが、この横浜FM戦は“湘南らしさ”を取り戻す重要な90分となった。それだけに、今節は連敗を『3』で止める結果が欲しいところだ。
中3日での試合が連続する中で、この試合は両指揮官のマネジメントにも注目が集まる。浮嶋監督は横浜FM戦でスタメンを5人入れ替えた一方で、ペトロヴィッチ監督はまったく同じ11人を鹿島戦のピッチに並べた。特に札幌は前節、鈴木 武蔵やジェイといった中心選手にトラブルが発生してしまっただけに、メンバーの再考が求められることになりそうだ。
一方の湘南は、前節で2種登録の17歳・田中 聡がJリーグデビューを果たすなど、浮嶋監督の下でチームの底上げを図っている。鈴木 冬一、齊藤 未月、石原 広教といった面々も先発出場を続ける中で1つ、今節に向けたコンディションは気がかりだが、今年で20歳、21歳という年齢を迎えた選手たちにとって、この連戦は自身の価値を証明する格好の場となるはず。いずれにしても、誰が試合に出た中でも“湘南らしさ”を表現することが、今季初勝利へのカギとなるだろう。
[ 文:林口 翼 ]
