見どころを要約すると・・・ ・横浜FMはここまで2勝。確固たる攻撃スタイルで巻き返しを図る ・仙台は新監督の下で新たな組み立てを訓練中。勝利から見放されているだけに、今節は結果が欲しい ・注目は天野純や松下佳貴といった中盤のレフティー。勝負にどんな彩りを加えてくれるか 7月4日に再開した明治安田J1も、1カ月で6試合を消化。多くの試合をこなす中で、新しい力が台頭したり、新しい壁に当たったりしながら、それぞれのチームが2020シーズンのスタイルを作り上げている。月が変わり、8月1日にユアテックスタジアム仙台で開催される第8節のカードでは、仙台と横浜FMが対戦。苦しみながらスタイル構築を図る仙台が、独自のスタイルで連覇を狙う王者を迎え撃つ。
アウェイチームの横浜FMは、ここまで7戦で2勝1分4敗の勝点7。昨季王者としては不本意だろうが、厚い選手層と確固たるスタイルで巻き返しを図る。昨季得点王の2人、仲川 輝人やマルコス ジュニオールといった技術も機動力も備える攻撃陣が並び、後方から攻撃スタイルを支援する畠中 槙之輔のようなCBもいる。多くの選手が目まぐるしくポジションを入れ替えて繰り出す攻撃スタイルは健在だ。
一方、ホームチームの仙台は、ここまで1勝3分3敗の勝点6。ここ5試合勝てておらず、ホームでは未勝利とあって、なんとしても次は浮上のきっかけとなる勝利をつかみたいところだ。今季から指揮を執る木山 隆之監督の下で新たな攻撃の組み立てを訓練しているところで、再開後は[4-3-3]を基本フォーメーションとして、長短のパスを組み合わせて前進し、連続攻撃を仕掛けるスタイルを目指す。試合間隔が短いときには大胆に先発メンバーの半分近くを入れ替えることもあるが、選手の組み合わせが変わってもボールをテンポよく動かす戦いを披露できるようになった。アンカーの椎橋 慧也、前節に仙台復帰後初ゴールを取った西村 拓真、攻撃的ポジションからSBにコンバートされた石原 崇兆など、新しく挑戦したポジションで力を発揮している選手も多い。だからこそ、結果を渇望している。
この二者が激突する一戦では、中盤でボールを動かせるレフティーに注目したい。例えば横浜FMでは、扇原 貴宏が深い位置から正確なパスを展開し、味方を走らせることも相手の守備をズラすこともできる。先発でも途中出場でもその職人技が光る。また、前節に強烈なゴールを決めた天野 純の存在も大きい。中断期間にベルギーから横浜FMに復帰したこのMFは、適切なポジション取りからSB、FWといった周辺の選手とパスを交換し、ここまで3得点とフィニッシュにも関与する。
仙台は松下 佳貴がここ数試合はコンディション不良で欠場していたが、この横浜FM戦での復帰を目指している。左足からのパスを相手のプレッシャーの隙間に通せる力を有するほか、自らも受け手としてゴール前に顔を出せる。先発でも途中出場でも、チャンスをつかむことができれば「後ろに引くのではなく、自分たちでどんどん前に飛び出して、圧力を掛けてサポーターの皆さんが見ていてワクワクするような、楽しいようなプレーをもっと増やしていきたい」とこの試合に懸ける思いは強い。また、プロ2年目の田中 渉も、剛柔両方のタッチでパスのバリエーションを増やしている存在として面白い。
巧みなレフティーを中心とした攻撃の組み立てが、勝負にどんな彩りを加えてくれるか。興味深い一戦だ。
[ 文:板垣 晴朗 ]