開幕から4勝2分と好調の名古屋。しかし前節・広島戦の試合直前、選手2名とトップチームのスタッフに新型コロナウイルス感染症の陽性判定が出たことで濃厚接触者の特定が困難となり、Jリーグとも協議の上で再開後初の試合中止となった。
その後の検査では、他の選手は全員陰性であり、濃厚接触者にはあたらないという保健所の判断が下され、今節の試合に大きな影響を与えることはないと思われる。
3連続無失点で3連勝と調子を上げてきた名古屋にとっては、勢いを削がれるコロナ騒動だが、自慢の堅い守備はそうそうほころびを見せないだろう。古巣対決となる中谷 進之介と主将の丸山 祐市のCBコンビは安定感を増し、ボランチの稲垣 祥や米本 拓司がボールをしつこく追って奪い切る。両SBも1対1に強さを見せていることがその要因と思われるが、中谷は「守備になったときに全員が走っている。広範囲に動き回ってくれる選手が多いので、僕とマルくん(丸山)が真ん中でどっしりと構えていられる」と、全員守備に手ごたえを感じているという。
実際に前々節の大分戦では、ウイングの前田 直輝やマテウスが自陣のゴールラインまで戻るシーンが複数回あり、最前線の金崎 夢生はクリアボールをしっかりと体を張ってキープしてくれる。昨季の攻撃特化型からすれば隔世の感もあるが、すっかりと守備に特徴のあるチームに生まれ変わった。
対する柏は攻撃陣が絶好調だ。特にオルンガは前節・仙台戦でハットトリック。7試合で8得点を挙げ、得点ランクで断トツの1位に君臨している。そのゴールも高さあり、抜け出しあり、足技がありと多彩で、仙台戦でも「今日のゴールは全部違うパターン。ストライカーとしてパーフェクト」(オルンガ)と、昨季は明治安田J2で27得点を挙げたFWはJ1でもその実力を遺憾なく発揮。得点王争いの大本命に躍り出た。
そのオルンガのゴールをお膳立てする江坂 任らのパスセンスも侮れない。ケニア国籍ストライカーの特長を最大限に生かすように、常にその動きを意識している。名古屋としては、オルンガの動きを止められなければ、その供給元から寸断するという意識も必要だろう。
そして、名古屋が勝点3を得るためには攻撃陣の質の向上も欠かせない。すっかりチームの中心となった阿部 浩之が前々節の前半に負傷交代。およそ10日間でどれだけ回復しているかにもよるが、代役を務めるガブリエル シャビエルも技術的には一級品。特にカウンターの精度を上げることが、勝利の確率を高めるだろう。
特徴が明確な両チームの対戦は、注目すべきポイントがハッキリし、サッカーの魅力をしっかり表せる好カード。新型コロナウイルス感染者が急増していることで、世の中の不安が増している現在、サッカーの力でひと時でも不安を忘れられるような試合になれば、と期待したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
