見どころを要約すると・・・ ・神戸は前節・札幌戦で山口蛍が2得点を奪い、3-2の勝利を収めた ・札幌戦では古橋亨梧が負傷交代したが、代役候補にも個性豊かなタレントがそろう ・仙台は6戦勝ちなしだが、前節は横浜FM相手に粘り強く戦い、前向きな材料もあった 前節で3試合ぶりの勝利を挙げた神戸のホームスタジアムに、3連敗中と苦しい仙台が乗り込む明治安田J1第9節。猛暑が想定される中、片や今季初の連勝、片や連敗脱出を懸けた熱いバトルが繰り広げられる。
神戸は前節、アウェイで札幌と激突。離脱していたダンクレーも復帰し、盤石の陣容で臨んだ。ただ、立ち上がりから準備したビルドアップの機能性を高められず、チームのリズムメークが停滞したが、徐々にアンドレス イニエスタも組み立てに加わりながら流れを引き寄せていく。先制点は奪われたものの、チームが誇る個の爆発力を発揮し、ドウグラス→山口 蛍で同点とし、前半終了間際にはアンドレス イニエスタの正確なフィードを西 大伍、ドウグラスとつなげてリードを奪う。後半に一度は追いつかれたが、山口のこの日2得点目のゴールで札幌を突き放している。
第5節・清水戦以来となる勝利を飾ったトルステン フィンク監督は試合後、「難しい状況の中でゴールを奪っていったのは良いチームの証拠であると思いますし、悪いときこそ頑張る強さというか、『前に向かって逆転をするぞ』という振る舞いが今日は見られた」と評価した。
ただ、この試合の序盤に古橋 亨梧が負傷交代したことは気がかり。今季ここまでハイパフォーマンスを続けている背番号11を欠くことになれば大きなダメージともなるが、前線には小川 慶治朗や田中 順也、藤本 憲明ら個性のあるタレントがそろうのも神戸の特徴。指揮官の戦術的な狙いの下、最適なメンバー編成でホーム戦に臨むことになりそうだ。
一方、アウェイに乗り込む仙台だが、苦しい状況が続いている。中断明け初戦となった第2節・湘南戦こそ1-0で勝利を収めたが、以降は勝星から見放されている。前節の横浜FM戦も0-1で敗れて3連敗。第2節の勝利時点で4位だった順位も現在は15位まで下げており、どこかで負のスパイラルを脱出するきっかけが欲しい。
ただ、横浜FM戦は敗れたものの粘り強い戦いぶりを披露。木山 隆之監督の下で組織された攻守の狙いを随所にピッチで表現しており、勝星からは遠ざかっているものの、決してネガティブなことばかりではないのが実際だ。さらに、前節は流通経済大に所属するJFA・Jリーグ特別指定選手、アピアタウィア 久が初出場を飾るなど、新たな刺激がもたらされた。今節は難しいアウェイ戦となることは必至だが、高い集中力を発揮して好転のきっかけをつかみ取りたい。
なお、神戸に所属する渡部 博文は2015~16年に仙台に所属し、郷家 友太は仙台ジュニアユースでプレー。また仙台の松下 佳貴は阪南大から神戸に加入し、昨季仙台に移籍。長沢 駿も2018年後半に神戸でプレーした。また、仙台の木山監督は2005~07年に神戸ユースを率い、2013~14年は神戸のトップチームコーチも務めている。
[ 文:小野 慶太 ]